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健康学Q&A

栄養学

2019.07.23

健康学Q&A NO.12 生活習慣病と油の話

健康学タイトル

体の健康をキープするために、今からどんなことに取り組んでおけばいい?
皆様から多く寄せられる質問に対し、矢澤先生がQ&A方式で分かりやすく解説します。
 
質問1
 
回答1
 
 
質問2
 
回答2
 
 
 油の摂りすぎは動脈硬化や脂質異常症など、生活習慣病のリスクを高めることが広く知られるようになりました。そのため、“油=体に悪い”というイメージが定着してしまったのですが、実際はそんなことはありません。「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」によると、「1日に摂取するエネルギーのうち2〜3割は油から摂りましょう」と推奨されています。油はエネルギーを蓄えたり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、細胞膜や脳の細胞の材料になるなど、実は健康を保つための重要な役割を担っています。悪いイメージが定着してしまったのは、食の欧米化により悪い油を摂り過ぎる傾向にあるためだと思われます。悪い油の代表格がマーガリンやスナック菓子などに多く含まれるトランス脂肪酸。これが生活習慣病リスクを高めると言われています。
 
 
質問3
 
回答3
 
 
 先ほどのトランス脂肪酸しかり、私たちの食生活にはさまざまな油がありますので、まずは身近な油を知ることが大切です。油は「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸(n-3系、n-6系、n-9系)」の4種類に大別されます。普段の食生活の中で意識せずとも十分に摂取できているであろう牛乳、豚肉、卵などの食品に含まれる油、これが飽和脂肪酸です。
 また、同様にコーン油やサラダ油などに多く含まれるn-6系(オメガ6脂肪酸)も、現代人の食生活では過剰摂取傾向にあるため、積極的に摂る必要はありません。一方、健康に良い油として覚えておきたいのがn-3系(オメガ3脂肪酸)です。n-3系の代表であるDHA・EPAは青魚に多く含まれていますが、現代人の食生活は魚離れが進んでおり不足しがち。
 
 
5
 
 
しかも加熱調理をした場合、1〜2割が流出してしまうため、生で食べるのが最も効率が良いことがわかっています。最後にn-9系の油。これはオリーブオイルが代表例で、悪玉コレステロールを下げる、抗酸化作用があるなどの特徴があります。しかも熱にも強いため加熱調理にもおすすめです。このように、油にはそれぞれ特徴があり、バランスを考えて摂取することが大切です。
 
 
質問4
 
回答4
 
 
 生活習慣病の原因の多くが血液や血管に起因することから、血液をさらさらにするDHA、血管をしなやかにし血栓をつくりにくくするEPAを含む魚食を意識して食べれば、生活習慣病リスクが低減すると考えられます。実際に魚をよく食べる人は心筋梗塞などの冠動脈疾患のリスクが低いというデータ(図1)もあります。
 
図1
 
 しかし、先ほども紹介したように、DHA・EPAは他の油と比べて熱に弱いため、生の状態で食べるのがもっとも効率的です。
 また、覚えておきたいのはn-3系とn-6系の油の関係性です。これらは体内でつくることができず、摂取後は同じ酵素で分解されるため、n-6系を摂りすぎるとn-3系の分解に使われる酵素が不足してしまうことがあります。加熱調理においては価格的にもリーズナブルなサラダ油などn-6系の油を使うことが多いと思いますが、これをn-9系のオリーブオイルに変えるだけで、n-6系の摂取量が減り、n-3系の摂取比率が高くなります。油自体は人が健康を維持するために必要なもの。だからこそ、良い油、体に悪影響のない油をバランス良く摂ることが大切です。

この記事を監修された先生

矢澤 一良やざわ かずなが

早稲田大学規範科学総合研究所ヘルスフード科学部門 部門長。長年、企業や大学の研究機関で食の安全や健康食品の研究に従事。食べ物がいかに体に作用するかを分かりやすく解説。

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