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2018.10.02
【特集】STOP!秋・冬老化肌
こじわ、たるみ、肌荒れ…。肌老化の一番の敵は“乾燥”ということは多くの方がご存知だと思います。では、なぜ乾燥は起こりやすくなるのでしょう? その原因やメカニズムについて知っておくと、おのずとやるべきことも見えてきます。しっかりお肌のケア&対策を行って、うる肌をキープしましょう。
10月以降は肌から水分がどんどん奪われていく!
気温が下がる秋以降は血行が悪化し、体の内側から肌への水分供給も少なくなります。また、皮脂の分泌量が低下することで蒸発しやすくなるため、乾燥が起こりやすくなります。
年齢とともに肌の水分量は減少します。また、バリア機能の役割を持つ皮脂量は30代をピークに減少します。
肌の水分が蒸発するとどうなるの?
【健康な肌】
肌表面の角質層がうるおいを蓄え、バリア機能を果たしています。水分と油分のバランスが保たれ、健康的な肌をキープできます。
【バリア機能が低下した肌】
油分と水分のバランスが崩れ、バリア機能が低下。肌内部の水分が蒸発しやすくなり、外部からの刺激によってダメージを受けやすくなります。
42度以上のお湯は過乾燥の原因に!
熱いお湯はバリア機能を担っている角質層を傷めやすいと言われています。実際に入浴後1時間の角質の水分量を計測したデータでは、熱いお湯の方がより水分量が減少するということがわかっています。また、15分以上の長風呂も乾燥を加速させると言われています。
大切な皮膚のバリアまで一緒に洗い落としてます。
ナイロンタオルなどでゴシゴシ洗いをすると、水分の蒸発を防ぐ皮脂膜まで洗い落としてしまう可能性があります。無防備な乾燥肌になってしまうことはもちろん、乾皮症などのトラブルの原因になることもあります。手で洗うだけでも汚れは十分落とせます。
紫外線量は減っても長時間浴びれば、肌への影響は大。
紫外線はUVA・UVBともに、4月から8月くらいまでがピーク。秋はピーク時の約半分、冬は1/3程度まで減りますが、それでも、冬の日差しを30分浴びれば夏の日差しを10分浴びたことと変わりません。肌へのダメージを考えるなら、紫外線対策は1年中が吉と言えます。
保湿ゴールデンタイムは、お風呂上がり5分以内。
お風呂上がりの肌の水分量は、水気がなくなった場所から急激に減っていきます。せっかくのうるおい肌を守るためには、水分が蒸発してしまう前に、肌の内側に閉じ込めるのがカギ。お風呂から上がったら“すぐ保湿”を習慣にしましょう。
手を抜くと一気に来る、秋・冬の老化肌。
夏が終わって紫外線対策もほっとひと安心、なんて思っていませんか? 美容への関心が高い方ならご存知かもしれませんが、肌ケアはオールシーズンが基本です。夏は日差しが強く、直接的な肌へのダメージがあるためしっかりケアされている方も多いのですが、実は肌の老化がもっとも進みやすいのは秋冬です。ただでさえ、春夏の紫外線や日差しで疲弊した肌に対し、秋冬に追い討ちをかけてくるのが”乾燥“。ケアの手を緩めるわけにはいきません。
肌の乾燥モードが加速し始めるのは毎年10月頃。過ごしやすいと気を抜いてはいけません。気温や湿度がぐんと下がり、また乾燥をガードする肌表面の皮脂量が減少する一方で、肌からの水分蒸発が活発になっていきます。肌から水分が奪われると、うるおいがなくなるのはもちろん、柔軟性がなくなり肌のごわつきが現れます。これがシワができる第一段階ですので要注意。また、肌の水分量が不足し、細胞が生まれ変わるターンオーバーが正常に行われなくなるため、メラニンが排出されずシミとして残ってしまうこともあります。他にも、乾燥が起点のトラブルとして、かゆみや大人ニキビなども挙げられます。
このように乾燥は肌から若々しさを容赦なく奪う難敵です。ただでさえ、年齢とともに肌の水分量は減っていきますが、若い頃と同じような意識では太刀打ちできません。上記のように乾燥を促進するような間違った習慣はもってのほか。いつまでも若々しい肌を目指すためには、正しい知識で外側内側からしっかりとしたケアを行うことが大切です。
・お風呂マッサージで心も体もほぐしましょう。
ぬるま湯につかると副交感神経が優位になりますが、マッサージを行うことでよりリラックス度が高まり、血流もアップします。入浴後には眠りの質も高まり、美肌にも良い影響がもたらされます。
<血行が良くなっているときにリンパマッサージ>
1.指の腹を使って眉頭から眉尻にかけてなぞり、こめかみ部分で円を描きます。
2.眉頭から鼻筋に沿って、目の下でやさしくカーブするようになぞります。
3.右手の指で左あごの骨を軽く挟む感覚で、先端の方へ手を流します。反対側も同じように行います。
・お風呂上がりは体全体の保湿を。
入浴後5分以内が保湿のゴールデンタイムですが、保湿する部位も重要です。まずは顔周りをしっかり保湿し、次にボディクリームを。リンパの通る鎖骨、皮脂腺が少ない腕や足はしっかりケアしましょう。
<ピュアスクワランオイルでスピーディに保湿を>
1.500円玉くらいの量を手のひらに取り、伸びが良くなるよう両手でオイルをあたためます。
2.皮脂の少ないかかとやすね、ひじ、ひざなど、リンパマッサージをするように塗り込んでいきましょう。
3.髪は最初にタオルドライをしておいて、毛先を中心にオイルをつけましょう。
・歳を重ねた肌ほどよりしっかりお手入れを。
肌のかさつきや乾燥は、老化現象のひとつです。歳を重ねるほどデリケートになるため、NG習慣を避けることはもちろん、より質の高い保湿やUVケアを心掛けることが大切です。
・バランスの取れた食事で内側からうるおいアップ!
皮膚の材料となるたんぱく質は、肌を若く保つ基本。加えてヒアルロン酸やコラーゲン、ビタミン、抗酸化作用のある栄養素を意識して食べるようにしましょう。
美肌づくりにうれしい栄養素と働き
監修:しのぶ皮膚科(三田)院長 蘇原しのぶ先生
この記事を監修された先生
しのぶ皮膚科(三田)院長。日本アンチエイジング外科認定医。皮膚科医として12年以上勤務した後、美容医療の道へ。豊富な臨床経験に裏付けられた“しのぶメソッド”で全国から多くの支持を受ける。