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アンチエイジングの方程式

栄養学

2018.01.09

チーズでアンチエイジング!(その1)

栄養食品としてハイレベルなチーズ

私はすでに日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパートの資格を持っていますが、今年、新たにソムリエの資格も取り晴れてドクターとソムリエのダブルライセンスを持った日本で唯一のソムリエドクターとなりました。今回は、ソムリエドクター青木晃が語るチーズのアンチエイジング効果です。

皆さん、フレンチレストランで食後のデザートの前にチーズを勧められたことはありませんか?フランスでは食事中に飲んだワインを少し残して置いて、チーズと一緒に残りのワインを楽しむ(チーズとワインのマリアージュ)ことが普通なのです。さて、チーズにはどんなアンチエイジング効果があるのでしょうか。

まず、チーズとは何なのでしょう?チーズは牛やヤギ、羊などの乳を原料として乳酸菌や凝乳酵素などによって凝固させ、ホエイ(乳清)の一部を取り除いたもの、またはそれらを乳酸菌やカビ等の微生物で発酵・熟成させたものです。栄養食品としてのチーズの側面から見ていきましょう。

チーズには乳の栄養素の大部分が移行していて、栄養価の高い、また少量でも栄養摂取効率の良い食品であることがわかっています。チーズの中には必須アミノ酸を含む20種類のアミノ酸がバランスよく含まれています。100gのチーズを作るのに必要な牛乳は1,000ml。すなわち牛乳の10倍の量の栄養素が凝縮されているわけです。特にナチュラルチーズ(後述)は「白い肉」という別名があるほど良質なたんぱく質を含んでいます。チーズに含まれるアミノ酸は肝臓の機能を助ける作用もあるため、悪酔いや二日酔い予防にも働きます。ワインを飲むときには是非チーズも一緒にとりましょう。また、チーズのたんぱく質は体内の鉄分と結合してリンパ球を活性化し、がん細胞の増殖を阻止する方向に働くという研究結果もあり、チーズはがんの発症を防いでくれる食品ということでも注目が集まっています。

 

チーズの乳脂肪は太りにくい?

気になる脂質としての乳脂肪ですが、チーズの脂質は確かに量としては多いということは事実です。チーズという食品は大まかに言ってしまえば、脂質、たんぱく質、水分から出来ています。そして、チーズに含まれるたんぱく質と脂質の割合は、ほとんどの種類においてたんぱく質よりも”脂質の方が多い”のです。しかし、ご安心ください!チーズの脂質である乳脂肪は太りにくい脂肪酸から出来ているのです。乳脂肪の中には、酪酸をはじめとした短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸と言った脂肪酸が含まれていて、これらの脂肪酸は体内ですぐにエネルギーに変換されやすく、体内に蓄積されにくいという特徴を持っています。つまり体に残らないから体脂肪にはなりにくい脂質、太りにくい脂質と言えるわけですね。チーズは、ココナッツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸や乳製品特有の短鎖脂肪酸である酪酸など幅広い脂肪酸を含んでいるため、バランスのいい栄養摂取のサポート役としても期待ができます。

乳に含まれる糖質は乳糖という二糖類が有名ですね。そう、乳糖不耐症のあの乳糖です。乳糖不耐症とは、牛乳に含まれている乳糖を分解する酵素がないか働きが弱い人が、牛乳を飲んだときに下痢やお腹の張り感を訴える症状のことです。乳糖分解酵素の働きの強弱は人種により特徴があります。日本人などのアジア系人種は弱く、ヨーロッパ系の白色人種は強い傾向にあります。また、年をとるにしたがって弱くなることも知られています。チーズはその製造工程において、乳糖はほとんど排出されてしまうため、牛乳がダメだという乳糖不耐症の方でも安心して食べていただくことができるのです。

 

カルシウムもビタミンも豊富なチーズ

ミネラルでは何と言っても、カルシウム!日本人はカルシウムの摂取量が不足気味です。アンチエイジング医学では、丈夫な骨でいつまでも歩ける体を維持することを提唱しています。子供は丈夫な骨を作るために、そしてお年寄りは骨折を防ぐためにカルシウムがたくさん必要です。カルシウムといえば、小魚や牛乳と思われがちですが、チーズは小魚や牛乳よりも少量で必要な量を摂ることができるのです。ほんとんどのチーズが牛乳の6倍(パルメザンチーズは10倍!)ほどのカルシウムを含んでいます。少量でもいいので、チーズは毎日食べ続けてもらいたいものです。特に女性の場合は閉経後女性ホルモンが減少し、骨からカルシウムが溶け出しやすくなるため、若い頃から特に意識してチーズを食べてカルシウムを補給していただきたいと思います。また、カルシウムはイライラを鎮めたり、ダイエットにも効果的に働くことがわかっています。因みに1日30gのチーズ(6Pチーズ1.5個分)を食べれば、摂取目標値に達します(ホウレンソウだと300g!)。

 ビタミン類では、ビタミンAとビタミンB2が豊富です。ビタミンAと言えば普通は緑黄色野菜ですが、チーズの乳脂肪分の中にもこのビタミンAがたっぷりと含まれています。それはチーズの原料となるミルクを作っている牛や羊が緑黄色野菜である牧草をたべているからです。ビタミンAは目に良いといわれているほかに、喉などの粘膜を丈夫にする働きがあります。寒い冬や乾燥しやすい季節はチーズを積極的に食べて風邪を予防しましょう。ビタミンB2は脂質の代謝を活性化させ、脂肪燃焼効果をサポートしたり、疲労回復やお肌の新陳代謝をアップさせる作用もあります。

このように栄養食品としては相当ハイレベルなチーズですが、欠点はないのでしょうか?チーズはビタミンCと食物繊維に欠けるので、野菜や果物と一緒に食べるようにするとよりアンチエイジング的です。また、塩分が若干多いのも高血圧やむくみがある方には、気になるところでしょう。しかし、チーズのたんぱく質は過剰な塩分を体から排出させる方向に働くことがわかっているので大丈夫!

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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