Health

めぐり・冷え

2023.11.01

【特集】実は夏の熱中症より注意が必要!冬の低体温症

 


ある調査によると、熱中症での死亡者数635人に対して、低体温症による凍死は1317人にのぼります。若い世代でも低体温症はありますが、そのうち65歳以上の死亡が全体の80%以上になります。凍死と聞くと、身近ではない気がしますが、実際には屋内で亡くなる人が少なくありません。

 

1. 短時間で命の危険に関わることも!体の内側が冷える低体温症の仕組み。
 
 夏の熱中症の危険性はよく知られるようになりましたが、冬の「低体温症」の怖さはあまり知られていません。低体温症とは、体の中の温度(深部体温)が35℃以下になった状態のこと。人間は、代謝により常に体内で熱を生み出しています。一方、寒さや強風などにさらされると、体の表面から体温は奪われていきます。体が生み出す熱量より奪われる熱量が上回ると、体は内側から冷えていき、低体温状態になるのです。慢性的に手足が冷える「冷え性」とは異なり、症状が進むと短時間で命の危険に関わることも。

 

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2.低体温による死者は年齢とともに増加。
 

 人間の体は、筋肉を動かしたり血管を収縮・拡張させることで熱をつくり出します。しかし、年齢を重ねるとこれらの機能が低下します。また、体温調節機能の低下により寒い環境にいると熱を放出しやすく、寒さを感じにくくなるため自発的な低温対策も後手になりがち。体力も衰えてくるので、高齢者ほど低温による命の危険が高まります。
 首都大学東京都市環境学部の調査によると、低体温症で亡くなる人の数は年齢とともに増加傾向。50代頃から急増し、男性では60代が、女性では80代が最も多くなっています。

 

3.低体温は免疫力低下のリスクに。
 

 免疫機能を担う白血球の働きは、体温と密接に関係しています。たとえば、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると熱が出るのは、体温を上げて白血球の働きを活発にするから。逆に、低体温状態になると白血球の働きが低下し、十分な免疫機能を発揮できなくなるのです。また、体内の熱を逃がさないようにするため、血管が収縮して血行が悪くなり、白血球が体のすみずみに行きわたりにくくなることも、免疫力低下のリスクを高めます。

 

4.日常にも潜む低体温症の危険性に注意。普段から冷やさない工夫をしましょう。
 低体温症は冬山など過酷な環境で起きるもの、と思いがちですが、寒い時期はちょっとしたことで起きる可能性があります。たとえば、行楽地での急な雨で体が濡れたり、駅やバス停で寒風に吹きさらされたりといったことも危険要素。対策としては、体を温めるグッズを活用するほか、食事や運動で体の熱産生力や保温力の維持に務めましょう。

 

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監修:
医学博士(内科医)
神奈川歯科大学大学院
統合医療学講座 特任教授

川嶋 朗 先生

この記事を監修された先生

川嶋 朗かわしま あきら

医学博士。東京女子医科大学准教授を経て、東京有明医療大学教授。ベストセラーとなった『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)など著書多数。近代西洋医学と補完・代替・伝統医療を統合した医療の第一人者。

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