Health

2023.07.04

【特集】繰り返す夏の便秘、原因は「隠れ冷え」かも!?


 
基本的に便秘は季節に関係なく起こる症状ですが、「実は夏になるとなぜか便秘になる」という方は、意外と多いのではないでしょうか。その原因の一つが「冷え」。暑い日が続くとつい冷風を体にあてて涼んだり、冷たいものを摂りがちですが、知らず知らずのうちに体の中は冷え切っているのかもしれません。
 

こんな症状があったら隠れ冷えに要注意

□便秘または下痢しがち
□おしっこが近い
□食欲が出ない
□体重が増える
□疲れやすい
□腰が重い
□肌が荒れる
□寝つきが悪い
□風邪をひきやすい
□みぞおちや背中が冷たい

 
 

夏風邪や記憶力低下も起こす!?放っておくと危険な隠れ冷え

 「冷え」というと、寒い季節のことのように感じるかもしれません。でも実は、冷房に当たり、冷たい食べ物や飲み物を摂ることが多くなる夏は、体の中がもっとも冷えやすい時期。暑さはしっかり感じるし、汗もかくのであまり気にならないかもしれませんが、この「隠れ冷え」を放っておくと、さまざまな不調の原因になります。
 体の中が冷えると、体内環境を整える自律神経が交感神経優位※に働き、血管を収縮させて体の熱をできるだけ逃がさないようにします。これが一時的なことなら良いのですが、長く続くと内臓に十分な血液が届かなくなり、胃腸の働きが低下します。この結果、腸の蠕動(ぜんどう)運動※、が鈍って便が腸内に溜まるようになります。汗をかいて体内の水分が使われているので便が硬くなりやすく、スムーズな排泄がますます難しくなり便秘をしてしまうのです。中医学では、この状態を「寒秘(かんぴ)」といいます。寒秘の便の特徴は、最初は硬く後は柔らかかったり、細く切れ切れだったりするので、隠れ冷えかどうかの目安の一つにすると良いでしょう。
 また、冷えからくる交感神経優位な状態は、胃酸や胃粘液の分泌を抑制してしまうため、消化がうまく行われなくなり、胃もたれや下痢を引きおこす場合もあります。これが長く続くと栄養状態が悪化し、脱水症状や夏バテにつながります。さらに進むと、免疫力が低下して風邪をひきやすくなることもあるので、高齢の方は特に注意が必要です。

今月の注目ワード

●交換神経優位
体内環境を一定に維持する自律神経のうち、心身を緊張させるのが交感神経で、逆に緩めるのが副交感神経です。交感神経が優位になると、心拍数増加、血圧上昇、瞳孔拡散、発汗などが起こります。
 
●蠕動運動
消化管の筋肉が収縮と弛緩を繰り返し、食べた物を移動させていく運動。最終的には、消化吸収した残りカス(便)を、直腸から排泄するサポートをします。自律神経の副交感神経優位で活発になります。

 
 
 

年齢とともに、男女共通の悩みに!?

性別を問わず多くの人が悩まされている便秘。令和元年の国民生活基礎調査では、便秘に悩む人の60代前半までは圧倒的に女性が多いのですが、70代後半では男性の方が多くなっています。便秘は、高齢者にとって男女共通の悩みになるようです。
 

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出典:令和元年 国民生活基礎調査(厚生労働省)より作成

 
 
 

熱中症や脱水症状に気をつけつつ外と中からじっくり温める

 隠れ冷えの予防は、何といってもお腹まわりを温めること。その一番簡単な方法は、腹巻の着用です。「夏に腹巻なんて暑苦しい…」と思うかもしれませんが、蒸れにくいメッシュタイプや、薄着でも外に影響しない極薄タイプなどを選べば、夏場でも快適に使えます。遠赤外線で温めてくれたり、磁気で血行を体にフィットしつつ、締め付けすぎないタイプを選びましょう。また、昨今は就寝時の熱中症が増えていますが、体を冷やさず熱中症を予防するためには、腹巻を着用して冷房を使うと良いでしょう。
 隠れ冷えは内臓の冷えですから、体の中を冷やさないようにすることも大事です。汗をかく季節は水分補給が必須ですが、冷たい飲み物はできるだけ避けて、常温かホットに切り替えましょう。温かい水分は体内にゆっくりと吸収され、膀胱への刺激も緩やかなため頻尿予防にも有効です。また、中医学の薬膳では、食物を温熱性(体を温める)と寒涼性(体を冷やす)、それに平性(どちらでもない)に大別しています。これによると、鶏肉やうなぎのほか生姜、山椒、長ネギ、ニンニクなどのスパイスや香味野菜が温熱性の食物。ヨーグルトやキムチなどの発酵食品も温熱性で、なおかつ腸内フローラ※を整える作用もあるので、便秘対策としても摂りたい食品です。食欲が低下して食事から摂るのが難しいときは、代謝を高めて体温をつくるビタミンB群やアリシンなどを含むサプリメントを活用するのも良いでしょう。中と外からお腹をじっくり温めて、隠れ冷えの克服を目指しましょう!

今月の注目ワード

●腸内フローラ
腸内細菌は、乳酸菌や大腸菌など1000種類以上もあるといわれ、種類ごとに塊をつくって生息しています。その様子が花畑(フローラ)のように見えることから、腸内フローラと呼ばれています。

 
監修:
管理栄養士・博士(スポーツ健康科学)

新生 暁子先生

この記事を監修された先生

新生暁子しんじょうときこ

国立健康・栄養研究所の栄養教育プログラムで技術補助員として従事。2008年にはシドニーオリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子率いるチームQに加入し、栄養管理を担当。現在はフリーランスの管理栄養士として活動。

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