Health

2020.07.14

【特集】快眠生活で健康寿命を延ばす

睡眠の質の低下は多くの健康被害をもたらす

 人生の1/3が睡眠時間といわれるくらい、人間にとって睡眠は大切なものです。睡眠には、「心身の休息」「記憶の整理」「ホルモンバランスの調整」「免疫力を高める」「脳の老廃物を取り除く」の大きく5つの役割があると言われていますが、中高年になるほど睡眠時間は短くなる傾向があり、20歳代と60歳代の睡眠時間を比較してみるとその差は30分以上もあります。しかも中高年は眠りの深いノンレム睡眠が大きく減少しており、睡眠への満足度が低下する傾向にあります。こうした睡眠の質の低下がもたらすのが、健康への悪影響です。
 一般に睡眠が6時間未満になると、疲れやすくなったり、集中力や注意力が低下するなど、日常生活に影響が出始めます。こうした睡眠不足が慢性的になると「不眠」と診断されることがあります。身体的な影響としては、不眠状態が長く続くと糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が起こりやすくなることもわかっており、これらは動脈硬化を進行させ、心疾患や脳卒中リスクを高めると考えられています。また、心の健康にも悪影響を与える可能性があり、睡眠の質の低下は遠からず病気を招いたり、健康寿命を脅かすリスクを持っています。
 現代の睡眠研究では、適切な睡眠時間は長すぎず、短すぎず、約7時間がもっとも良いと言われていますが、加齢による生理的な睡眠の質の低下は、眠ろうという意思だけで解決できるものではありません。眠りたいのに眠れないという不安が、逆に睡眠を妨げるケースもあります。大切なのは「質の高い睡眠は健康の基本」と考え、睡眠への理解を高めること。そして、眠るための工夫や生活習慣を取り入れることと言えます。
 
 

加齢によって睡眠の「時間」も「質」も変化する

深い睡眠時間が少なくなる
若い頃のように眠れなくなったという人も多いと思いますが、データに表れているように加齢とともに睡眠時間は短くなる傾向にあります。さらに、深い眠りを示すノンレム睡眠も加齢とともに短くなっており、睡眠の質の低下につながっています。
 

 
睡眠時間が短いのはダメ?
年齢とともに睡眠時間が短くなることに不安を抱くかもしれませんが、それは体の変化であり、心配をすることはありません。むしろ、毎日4〜5時間しか眠れない、8時間以上眠り続けているといったケースの方が不調の原因が潜んでいると考えられます。シニアの場合は6〜7時間程度で、自然に寝付けた、ぐっすり眠れたという満足感を重視する方がよいと言えます。
 
 

睡眠時間が少ないとこんな症状に

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Dr.青木への質問箱 

睡眠の「この知識」合ってる?間違ってる?

 
Q.睡眠ホルモンを多く出すには太陽の光を浴びることが重要?
A.「太陽の光を浴びることで、睡眠ホルモンの元となるセロトニンが多く分泌されます」
 
動脈硬化
睡眠ホルモンのメラトニンは日没後から睡眠時にかけて分泌が増えていきますが、メラトニンが正常に分泌されるには、その元となるセロトニンというホルモンが必要です。セロトニンは太陽の光を浴びることで分泌するため、日中の外での活動が大切になってきます。

 
 
Q.良い睡眠には濃厚な洋食が良いって本当ですか?
A.「それは間違いです。食事はバランスよくが基本!あえていうなら和食です」
 
動脈硬化
バランスの良い食事を前提で話をしますが、睡眠によい食材を挙げるならセロトニンの前駆体であるトリプトファン(アミノ酸)が入っているもの。これは乳製品や大豆製品、赤身の魚にも多く含まれています。つまり和食がこの条件にあてはまっています。

 
 
Q.寝つきが悪く、寝酒に頼ってしまいます。これはOK?
A.「実は寝酒は睡眠には逆効果。寝つきは良くなりますが、夜中に目が覚めやすくなります」
 
寝つきが悪いという方は、アルコールに頼るよりも、マッサージやツボ押しをしてはいかがでしょうか? 入浴後にリンパや血液の流れをスムーズにすると、手足の先があたたまり、自律神経も整いやすくなるため、質の高い睡眠が期待できます。
 

 
 
Q.眠れない時は起きて眠くなるまで本を読んでいます。
A.「一旦、寝床から離れて眠くなるのを待ちましょう」
 
寝つきが良くない人に共通すること
なかなか眠れないと訴える人の多くは、早い時間に寝床に入っている傾向があります。「まだ眠くないのに寝床に入っており」、不眠のような焦りを感じていると考えられます。
 
眠れなくても焦らないことが大切です
「睡眠時間をしっかりとらなくては」という使命感が逆に眠りを妨げてしまいうことがあります。眠れない時は眠くなるまで好きなことをして過ごすくらいの心持ちが大切です。

 

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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