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姿勢

2019.09.10

【特集】姿勢と呼吸が変われば、カラダが変わる!自律神経との関係


 
姿勢と呼吸を整えることで、現代人の不調の原因のひとつである「自律神経のバランス」がどう変わっていくかをご紹介します。
 

自律神経のバランスを整える呼吸

呼吸は人が生命を維持する上で欠かせません。自律神経によって無意識のうちに行われていますが、交感神経が優位な人は、呼吸が浅くなりがちです。深い呼吸を意識することで自律神経のバランスを整えることが大切です。

 

正しい姿勢をつくるとき呼吸筋が重要になる

 「猫背」の状態で深呼吸をしてみてください。体の中に十分な酸素が入っていかないのを実感いただけるのではないでしょうか。では、反対にきちんと深呼吸をしようとすると、どのような姿勢になるでしょう。背骨がすっと立ってまっすぐな姿勢になりませんか? この状態こそ、臓器などが正しい位置に配置されている状態です。
 呼吸がしやすい状態、すなわち正しい姿勢をつくろうと思ったとき、筋肉が中心となって姿勢を支えます。その筋肉とは表面的な場所にある筋肉ではなく、背骨を中心とした体の深部にある呼吸筋という筋肉群が使われます。呼吸筋群は普段から使われないと衰えてしまうため普段から正しい姿勢を保って鍛えることが大切です。逆に深い呼吸を行うことで姿勢を整えることもできるため、姿勢と呼吸をダブルで意識するとより効果的と言えるでしょう。
 

呼吸と姿勢には深い関係があります

【呼吸筋の維持】
正しい姿勢を維持することは、呼吸筋のひとつでもある脊柱起立筋を維持することにもつながります。この筋肉は息を吸う動作を補助する役割があり、深い呼吸をスムーズにします。

【深い呼吸が日常化する】
呼吸筋によって姿勢が保たれることで、肺や気管支などの呼吸器系の働きも正常化します。普段から深い呼吸を意識して行えば、脳によって深い呼吸が通常の呼吸とインプットされ、日常化します。

 
鼻呼吸
鼻呼吸
よく口呼吸をする人がいますが、実は口は消化器、鼻は呼吸器に分類されています。鼻には外部から侵入してくるアレルゲンやウイルスをブロックするために鼻毛が生えており、口にはそういった機能が備わっていません。もともとは鼻で呼吸をするように、人間の体はつくられています。

 
深い呼吸
深い呼吸
姿勢が悪いと呼吸が浅くなります。正しい姿勢であれば呼吸が深くなりますが、人によっては正しい姿勢でも呼吸が浅いままの人もいます。深い呼吸を体に覚えさせるためは呼吸トレーニングもおすすめです。

 
 
 

姿勢が悪いと呼吸が浅くなる姿勢

姿勢が悪いと内臓が下垂しやすくなり、各機能が低下する傾向にあります。そのことは肺も同様で、呼吸が浅く早くなってしまい、自律神経が乱れることがあります。結果として、体の不調につながってしまいます。

 

正しい姿勢と呼吸によって生まれるメリットは多彩

 正しい姿勢によって、深い呼吸が日常的になると、それが脳にルーティンとして刻み込まれ、意識しなくてもできるようになります。特に、深い呼吸が大きく関係しているのが自律神経です。自律神経は、呼吸、血液循環、発汗、消化・吸収など人間が生命維持のために意識とは無関係に各臓器などを動かすための神経系のこと。ストレス社会を生きる現代人は交感神経が優位になっているため、呼吸が浅く早くなる傾向にありますが、深い呼吸ができるようになると副交感神経優位の時間がきちんとつくれるようになります。副交感神経が優位になると、縮こまっていた末端の血管も広がり、全身に血液が行き渡るようになります。体の不調の多くが血の巡りに原因があるように、血行が促進されると、肩こり・腰痛、冷え、不眠など、年齢とともに増えてくる不調は快方へと向かいやすくなるのです。
 

姿勢が整うとこんなメリットがあります

【不調の改善】
姿勢の歪みによる慢性的な体の痛み、血行不良による肩こりや腰痛、冷え、自律神経の乱れからくる不眠など、さまざまな不調の改善につながっていきます

【自律神経が整う】
現代人は交感神経が優位になり、呼吸が浅くなりがちと言われています。姿勢が整い、深い呼吸をすると、副交感神経のスイッチが入りやすく、自律神経のバランスが整います

 
正しい姿勢
本来のS字湾曲を描いている背骨は、胸が開き、肺が空気を取り入れやすい状態。つまり深い呼吸がしやすい体勢と言えます。
 

 
正しく歩く
正しく歩く
年齢を重ねると背骨をまっすぐに支える脊柱起立筋などが弱くなります。歩行時に訓練することで正しい姿勢をキープしましょう。

 
 
 

2つの自律神経を知ってカラダもココロも健やかに

「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経で成り立っている自律神経は、それぞれ働きがあります。

生命活動の営みに合わせて働く自律神経

 姿勢が整うと呼吸も深くなり、自律神経のバランスも整う。連鎖的に良い方向へと導かれますが、ここでは姿勢・呼吸と大きく関係する自律神経に焦点をあてて考えてみましょう。人間の体にはもともと体内時計が備わっています。起床して陽の光を浴び、日中は活動、陽が沈むとともに心身を休めるように刻み込まれていますが、その1日の流れに沿って自律神経も切り替わります。言ってみればスイッチのONとOFFの関係。ONは心身の活動スイッチを入れる交感神経、OFFは休息モード(あるいは充電モード)の副交感神経と捉えることができます。しかし、現代人の生活は日中の活動時間が本来の休息時間まで侵食しており、休息の時間がなくなっています。ずっとONになっている状態と考えると、とても丈夫な人でも、自律神経のバランスが崩れる可能性が高くなるのです。
 

 

夜に活発になる、休息を司る「OFF」の神経

副交感神経

夕方以降、徐々に高まる神経。瞳孔を収縮させる、脳をリラックスさせる、心拍数を抑える、血管を拡張させるなど心身をリラックスモードへと導く働きがあります。

 

日中に活発になる、活動を司る「ON」の神経

交感神経

起床してから活発に活動を始める神経。瞳孔を拡大させる、脳を興奮させる、心拍数を増やす、血管を収縮させるなど心身を日中の活動モードへと導く働きがあります。

 
自律神経は1日の中でリズムがある
自律神経は1日の中で、時間帯によってそれぞれの神経が活発に働く時間があります。自律神経のバランスが乱れた状態とは、どちらか一方の神経が常に優位になっている状態。現代人は交感神経がずっと働いているケースが多く、心身の休息が取れていない状態とも言えます。
 

 
自律神経は加齢とともにコントロールしにくくなる
心拍センサーを使用し、連続10時間以上の心拍を測定したところ、自律神経活動のトータルパワーが加齢とともに低下していることがわかりました。トータルパワーとは交感神経と副交感神経を切り替え、自律神経の偏りをなくしてバランスを整える力でもあります。
 

 
加齢によって自律神経のバランスが乱れると…
高血圧や立ちくらみ(心臓・血管)、頻尿(膀胱)、腰痛(血流)、冷え(体温調節)など、自律神経がこれまで通り働かなくなることで、さまざまな不調となって現れます。
 

姿勢と呼吸を整えてスイッチを上手に切り替える

 交感神経が活発になったままだと「夜寝付けない」などの支障も起こりやすくなります。また、暑い時は発汗して熱を逃がす、寒い時は血管を縮めて血液量を減らして体温を逃がさないようにする温度変化への適応も自律神経の働きによるものです。しかし、その切り替えがうまくいかないと、めまいやだるさ、頭痛、冷えなどの原因になることもあります。
 また、人間には交感神経と副交感神経を切り替える力が備わっていますが、その力も加齢とともに低下することがわかっています。高齢者に熱中症患者が多いのは、自律神経が弱っていることも一因として考えられます。寄る年波には勝てぬという言葉もありますが、低下するスピードを穏やかにすることは可能です。その一つとして姿勢と呼吸を良くすることは、簡単にできることですので、早速実践してみましょう。
 
監修:銀座よしえクリニック都立大院院長・日本抗加齢医学会専門医 青木晃先生

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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