どんな症状に効くの？
個々のハーブに含まれる成分によって、体への作用は異なります。メディカルハーブの働きは大きく５つに分類することができます。
 
①生体防御機能調節作用
・心身のバランスを正常に保とうとする作用　
 
②抗酸化作用
・老化の原因となる細胞の酸化を抑制する作用
 
③抗菌・抗ウイルス作用
・体に害を与えるウイルスや異物から体を守る作用
 
④薬理作用
・気持ちをリラックスさせたりお腹の調子を整えたりする作用
 
⑤栄養素の補給
・体の健康維持に必要な栄養素を補給する作用
 
 
飲む以外にどんな使い方がある？

ハーブの使い方はハーブティーのような飲み物、もしくは料理に使われる香草、あとは香りを楽しむアロマセラピーなどが代表的です。その他の利用法としては、ハーブを濃いめ（ハーブティーの３〜５倍）に抽出してバスタブのお湯に加えるハーバルバス、同じように洗面器に濃いめのハーブティーを入れ、タオルに染み込ませて絞れば湿布しても使えます。

 
 
副作用の心配はない？
医薬品の場合は病気の治療を目的に、植物などから特定の成分を抽出したり、さらにそれを加工して作用を強めたりしているため、副作用が起こるケースがあります。一方でハーブには、多くの種類の成分が含まれており、医薬品と比較しても成分量は格段に少ないため、副作用などの有害な事象が起こる心配が少なく、体にやさしいということができます。

 
 
ハーブの機能の特徴は？
医薬品は１つの目的のために作られるため、ピンポイントで効果が現れます。一方でメディカルハーブは単体でも複数の成分が含まれているため、相乗効果が生まれたり、違う症状に対しても機能を発揮するケースがあります。ただ、作用の出方には個人差があるため、人によって感じ方が大きく変わることがあります。

ハーブには人の力を引き出す力が眠っている

　体にウイルスが侵入したら免疫が反応して、熱を発する。切り傷を負ったら、かさぶたができ、皮膚が再生して傷がふさがっていく。人間の体は異常が起こったときに正常な状態に戻すよう「自然治癒力」という不思議な力を備えています。メディカルハーブは、民間療法の薬草などで使われてきた植物の特性を生かして、さまざまな不具合に対応するものですが、「薬」と違う点は病気を治すことを目的にするのではなく、人間が本来備えている自然治癒力を引き出し、治りを助けるといったニュアンスが正しいと言えるかもしれません。
　メディカルハーブの良い点はさまざまですが、学びが楽しめることもそのひとつ。たとえば、ハーブで有名な”ラベンダー“は香りの良い人気のハーブですが、メディカルハーブの視点からみる作用は「自律神経のバランスを整える」「免疫力アップ」「安眠」「痛みの緩和」「皮膚トラブル」など、さまざまな働きがあります。どのような機能を得たいかを考えながら芳香剤にしたり、入浴に利用したり、ハーブティーにしたり。あるいは、他のハーブとブレンドしてオリジナリティを楽しむという選択もあります。
　敷居が高い、難しそう…と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、やってみると意外と簡単。一度入門してしまえば、楽しみ方はパターン化できてしまうので、まずは気軽に始めてみることをおすすめします。ハーブを楽しむことで、健康への関心が深くなることはもちろん、植物のある毎日は暮らしに彩りを与え、心も豊かにしてくれることでしょう。
 
 

こんな症状に大活躍！ハーブPetit辞典

含まれている成分によって期待できる機能はさまざまです。ここでは体調、トラブル別のおすすめハーブをご紹介いたします。
 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
監修：薬剤師 NR・サプリメントアドバイザー NPO日本メディカルハーブ協会 理事　渡辺肇子先生