毎日飲むサプリメント何を選ぶ？

　厚生労働省の調査によるとサプリメントなどの健康食品を摂取している人は、男性でおよそ5人に１人、女性でおよそ4人に1人と言われています。また、中高年になると摂取率はさらに上がり、およそ３人に１人が飲んでいることになります。多くの人が関心を持つサプリメントですが、今回は、サプリメントを選ぶ際の基礎知識ともいえる「ベースサプリメント」についてご紹介します。
 

サプリメントは大きく３つに分けることができる

　サプリメントは役割や目的によって大きく3種類に分類されます。中でも大切なのがベースサプリメント。栄養バランスを保管し、健康の土台づくりを担っていると言えます。

オプショナルサプリ
体調の回復・改善をめざして利用される
 
ヘルスサプリ
免疫力や抗酸化力など健康維持・増進が目的
 
ベースサプリ
普段の食事の栄養バランスを補完。「健康の土台づくり」をサポートする
 
食事・運動・睡眠・休息
サプリメントに頼るのではなく、生活環境を整えることがもっとも大切
 
 
 

サプリメント選びは、まずはベースサプリメントから

　サプリメントで日々の食事の栄養を補完したいけど、何を選べばいいかわからない…。そんな方も多いのではないでしょうか。世の中には多種多彩なサプリメントが出回り、「オススメしたい方」などの謳い文句を読むと「あれもこれも自分に当てはまるかも？」と目移りしますが、迷わないためにまず知っておきたいのが、サプリメントは役割や目的によって大きく３種類に分類されるということ。さらに、その下層には食事・運動・睡眠・休息といった、生きるための根源的な要素である生活環境を整えなければ、サプリメント本来の役割や目的は達成されにくいということです。今、サプリメントを摂取している方は３種類の（ベースサプリ・ヘルスサプリ・オプショナルサプリ）のうち、どのカテゴリーのサプリメントを摂っているか再確認してみましょう。上記のピラミッドで言えば、ベースサプリで健康の土台づくりを行うのが先決。ましてやコロナ禍で日々の活動量が減り、食欲減退、低栄養の人の増加が危惧されている現状。土台がしっかりできていない人が、一足飛びにヘルスサプリやオプショナルサプリを摂ってもあまり意味がないと言えるでしょう。
 
 
 

健康の土台となるベースサプリメントって？

　ベースサプリは体の基礎となる栄養素。普段の食事ではすべてを補うことは難しいため、サプリメントで補う考え方が効率的と言えます。
　では、具体的にベースサプリメントの栄養とはどのようなものなのでしょう。ビタミンやミネラル、食物繊維、タンパク質の元となるアミノ酸、良質な脂質であるオメガ３など、生きるために欠かせない栄養素がそれに当たります。特にビタミンとミネラルは、エネルギーにはなりませんが、エネルギーの元になる糖質、脂質、タンパク質の分解・合成をサポートする働きを持っており、またビタミンとミネラルもお互いの働きを補い合う関係にあります。例えば骨をつくるのにカルシウムが必要なことは知られていますが、その他にもマグネシウム、リン、マンガン、ビタミンＤ、ビタミンＫが必要となります。ドネネクの桶という考え方に当てはめると、どれだけカルシウムを摂っても、ビタミンＤをしっかり摂っていなければ思うような効果は得られません。
 
 

　ベースサプリには、ビタミンやミネラル、アミノ酸など様々なものがあります。これらの栄養が欠乏すると健康の土台が崩れやすく、健康を損ないやすくなると考えられています。
 
 

　特にビタミンやミネラルなど基礎的な栄養は、お互いに保管しあって働いています。ドベネクの桶の考えでは、一つでも欠けると少ないものが基準になるため、すべてをバランスよく摂るのが理想です。
 
 
 
　サプリメント選びの話に戻ると、今自分に足りない栄養は何か、ということはなかなか気づけません。ただ、現代人は慢性的なミネラル不足とも言われており、それならばベースサプリメントとして、ビタミンやミネラルが過不足なく配合されているマルチビタミン、マルチミネラルなどのサプリメントを選ぶことが、効率の良いサプリメントの摂り方と言えるでしょう。

 
監修：抗加齢医学専門内科医
青木 晃先生