Interview

2019.01.01

FUN LIFE Vol.48 リオデジャネイロオリンピック トライアスロン日本代表監督 飯島健二郎さん

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リオデジャネイロオリンピック トライアスロン日本代表監督
飯島健二郎さん
KENJIRO IIJIMA
1959年生まれ。野球の名門校の顧問としてチームを甲子園に導くも、練習中にヒザを負傷。リハビリとしてはじめたトライアスロンに没頭し、教員を辞め日本初のプロ・トライアスリートに。競技を引退後は指導者として活動を開始。トライアスロンが正式種目となった2000年のシドニーオリンピック以降、全大会で監督として指揮をとった。現在は(公財)日本オリンピック委員会ナショナルコーチを務める。
 

 

リハビリとしてはじめたトライアスロンが人生を変えた

 トライアスロンを知ったのはとあるテレビ番組がきっかけでした。トライアスロンの中でももっともハードな競技として、アイアンマンレースが紹介されていたのです。その時はまさか数年後、自分がそのレースに出ることになるなんてまったく考えてもいませんでしたから、「大変な競技があるものだな」なんてつぶやいたりして、まるで他人ごとでしたね(笑)。
 というのもそれまでの私は、駄菓子屋さんでおもちゃのバットを買ってもらって以来、ずっと野球一筋。腕前もなかなかのものだったんですよ(笑)。プロになる夢は叶いませんでしたが、教員になり、野球部を甲子園に導いたことで指導者として一定の評価は得られることはできました。ですから自分はこのまま、野球とともに人生を歩んでいくのだと信じ切っていました。 
 転機となったのは練習中のケガでした。リハビリをしようと考えたときに、ふと頭に浮かんだのが、以前テレビで見たトライアスロン。あの過酷な競技に打ち勝てば、心身ともにさらにパワーアップした状態でグラウンドに戻ることができる、そう考えたのです。

 
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トライアスロン

水泳、自転車ロードレース、長距離走の3種目を連続して行う競技。シドニーオリンピックで正式種目となったことをきっかけに、世界中で人気が急上昇。現在、日本でも30万人を超える愛好者がいると言われています。

 

アイアンマンレース

トライアスロンには距離やルールによってさまざまな種類があります。なかでももっとも距離が長く、過酷だと言われているのがアイアンマンレース。鍛え上げた鉄人のみが制覇できることから、この名前になったそう。

 
 

他では味わえない達成感がレースに向かう原動力に

 その頃、日本国内でもいくつかトライアスロンレースが開催されていて、私は湘南で行われていた大会に出場しました。するとこれまで野球で培ってきた体力のおかげか、初挑戦で優勝することができたのです。これが私の記念すべき初レース。ここからどんどん、私はトライアスロンの世界にはまっていきました。
 こう話すと、初レースがよっぽど楽しかったように思われるかもしれませんが、とんでもない!レース中ずっと、「二度とこんなしんどいことやるか!」と考えていました(笑)。ではなぜ続けているのかというと、ゴールした瞬間の達成感を味わってしまったから。たとえば子どもの頃、逆上がりが初めてできた時。あれに似た、体の中を突き抜けていくような達成感がトライアスロンにはあったのです。
 当初は教員とトライアスロン選手の生活を両立していましたが、海外遠征が増え始めた頃に、これはもうどちらかを選ぶべきだと判断し、プロ・トライアスリートの道をとりました。12年間のプロ生活のなかで出場したレースの数は164回。そのうち3レースはリタイアしましたが、ほとんどのレースを完走することができました。ちなみに自己ベストは34歳のときに出場したアイアンマンレースで9時間1分。そう、トライアスロンを知った日、テレビ番組で紹介されていた、あのレースです。

 
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運動習慣をつけたいなら簡単なことからはじめよう

 現在は、日本オリンピック委員会のナショナルコーチとして、女子選手の指導にあたっています。心がけているのは、選手の変化に気づくこと。トライアスロンは”スタミナ勝負“と思われているかもしれませんが、じつはとても繊細な競技なんです。ちょっとした心や体の変化がレースに影響しますし、ときには事故やケガにもつながってしまいます。「いつもと違う」と感じた選手は、練習内容を変えたり、走る順番を入れ替えたりしながら、きめ細かく調整。コーチというのも結構大変な仕事なんです(笑)。
 選手の体調を管理する立場である以上、私が見るからに不健康な状態では示しがつきません。ですから「体重が増えたかな」と感じたら、自室でこそこそとトレーニング、略して“こそトレ”で調整します(笑)。軽い筋トレ程度ですが、きちんと続ければ体は変わります。運動するのに「時間がない、場所がない」と言うのは、ただの言いわけ。運動習慣をつけるなら、まずはストレッチなど、簡単で気持ちのいいことからはじめましょう。大きな目標をクリアしたいなら、小さな「できた!」を積み重ねていくことが大切です。

 
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こそトレ

飯島さんの“こそトレ”の基本は、エアロバイクを漕ぐことと簡単な筋トレ。計20分間、週に4回ほど続けることで、とくに食事制限を行わなくとも、1年半で体重を10キロ落とした経験があるのだとか。まさに継続は力なり。
 
 
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撮影中、トレーニングをしていた佐藤優香選手に遭遇。佐藤さんはアジア大会のトライアスロン混合リレーで金メダルを獲得した、東京オリンピックでの活躍が期待される選手。2人の和やかな表情から信頼関係の深さがうかがえます。

 
 

成し遂げたいことは新年の抱負として宣言を!

 かつて、趣味としてトライアスロンを楽しまれている方を指導していたことがありました。皆さん最初は「私でもできますか?」なんて不安な顔をしていますが、ゴールした後はすごくイキイキとした表情で「体は疲れたけど、やる気がわいてきました」と話します。何かに挑戦し、成し遂げた経験というのは、新しいエネルギーを生むのだと思います。ちょうど新年ですし、2019年の抱負として挑戦を宣言するいいタイミング。ただ私の抱負はというと…、やはり教え子のことが頭に浮かんでしまいますね。選手が育っていくことが目標であり、いま一番の幸せです。見据えるのは、いよいよ来年へと迫った東京オリンピック。このまま順調に選手が育てば、トライアスロンのメダル争いはおもしろいことになると思います。どうぞ期待しながら、応援してやってください。
 

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東京オリンピック
東京オリンピックから公式種目として、通常の5分の1の距離を女子→男子→女子→男子の順にリレーでつなぐ、トライアスロンミックスリレーが追加されました。チーム戦ならではのおもしろさにも注目です。
 

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野球ボール

現在はトライアスロンの監督として活動していても、元をたどれば野球少年。「ボールを握っていると心が落ち着く」と飯島さん。指で転がしたり、軽く投げたり、時には背筋を伸ばすストレッチグッズとしても活用しているそう。

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