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2016.12.06
代謝も歪みも整える「正しい呼吸」をマスター
あなたの呼吸は身体に負担をかけている?!
1日のうちで、呼吸に意識を向けている時間はどのくらいありますか? 私たちは1日2万回以上呼吸をしていると言われています。呼吸は、自分の意思でコントロールすることもできますが、あえて意思を働かせなくても止まることはありません。このため、私たちは呼吸についてあまり気にかけません。でも実は、意識して呼吸をすることは、ビューティーアップに大きな意味があるのです。正しい呼吸は、身体に十分な酸素を行き渡らせ、肌の代謝を上げてクマやくすみを改善します。酸素とともに栄養も届けるので、ハリツヤアップも期待できます。とはいえ、普段は意識していない動きですから、何が正しい呼吸なのか分からないですよね。今回は、そこからご説明しましょう。
ご存知のように、呼吸は肺に酸素を入れたり出したりすることで行われます。このとき、本来の身体の仕組みとしては、横隔膜と肋間筋が使われなければいけません(図1)。ところが、現代人の多くはここを上手に使えないのです。試しに、息を思い切り吸ってみてください。肋骨が前と横に膨らむようであれば問題ありませんが、首や肩に力が入って肋骨が上に持ちあがるようなら、正しい呼吸ができていない可能性大です。
横隔膜や肋間筋がうまく使えないからと言って、人は呼吸しないわけにはいきません。そこで、代わりに頸部と鎖骨や肋骨をつなぐ斜角筋や胸鎖乳突筋が使われるのですが、上から無理に引っ張っているので、どうしても呼吸が浅くなってしまいます。呼吸が浅いと、酸素を体内へ十分に巡らすことができませんから、代謝が悪くなります。また、本来は使わない斜角筋や胸鎖乳突筋(図2)を無理に使い続けているため、コリが生まれて周辺の骨格が歪みます。正しい呼吸ができていないと、身体にこれだけの負担がかかるのです。
図1=横隔膜、肋骨筋を使った「正しい呼吸」の仕組み
図2=斜角筋、胸鎖乳突筋
1日1回の深呼吸で身体全体をリフレッシュ
正しく呼吸することが大切だと言っても、四六時中、呼吸を意識することは不可能です。そこで、1日最低1回、意識的に深呼吸する時間を持ちましょう。タイミングはいつでも構いませんが、忙しい仕事や家事の合間にやれば手軽なリフレッシュになり、就寝前にやれば睡眠の質を高めます。正しい呼吸でたっぷりの酸素を身体全体に届け、身体の中から美しくなりましょう。
■準備
足を軽く開き、正面を向いてまっすぐに立ちます。前のめりにならないよう気を付けてください。
■Step 1
鼻から吸って、口から吐く
鼻からたっぷりと息を吸い込み、10秒かけて口から吐きます。吸っているとき、胸を引っ張って上げるのではなく、肋骨の筒を広げるようにします。分かりにくければ、胸と脇に手を添えて確認しながらやりましょう。
■Step 2
胸をさする
右手で左側の肋骨を、左手で右側の肋骨を、中央から外側に向けてさすります。肋骨全体を上中下に3分割する感じで、3か所に分けて行います。
■Step 3
脇をさする
両手で肋骨を挟み、背中側からお腹側に向けてさすります。さする位置は、おへその高さ、みぞおちの高さ、胸の高さの3か所です。
■Step 4
横隔膜を動かして深呼吸する
息を口から大きく吐き、吐き切った状態で肋骨下部を両手で押さえます。そして、押さえた手を横に広げるようにしながら、「鼻から吸って口から吐く」を繰り返します。
<コラム>「耳つまみ呼吸」で好感度アップ!
大事なプレゼンテーションや婚活パーティーなどで好印象を残したいときは、「耳つまみ呼吸」を試してみてください。やり方はとても簡単です。まず、両耳を人指し指と親指で挟んで引っ張りながら、全体を揉みほぐします。次に、両耳を引っ張った状態のまま、目と鼻の骨の奥に息を送るイメージで、鼻から吸って口から吐くことを2~3回繰り返して終了です。
耳の周囲を揉むと頭部の筋肉がほぐれ、血行やリンパの流れが良くなります。これにより顔色が良くなり、目もパッチリと開きます。また、目と鼻の骨の奥に息を送るようにイメージすると、脳が刺激されて横隔膜に信号が行きやすくなり、結果として呼吸が深くなって緊張がほどけます。冴えた表情で、リラックスして大事な場面に臨むことができるのです。
この記事を監修された先生
アンチエイジングデザイナー。「顔や体のゆがみやねじれを正し、問題を根本から解決する」というポリシーのもと、独自の美容メソッドを確立。著名人の顧客も多いカリスマセラピスト。
https://www.instagram.com/hiroi_muraki/