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アンチエイジング
2018.05.01
【特集】VS 老化に抗う 活性酸素
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カラダをサビつかせる活性酸素とはそもそも何?
私たちが1日に吸い込む酸素の量はおよそ500ℓ。酸素には食べたものをエネルギーに変換するという重要な役割がありますが、吸い込んだ酸素のおよそ2%が「活性酸素」になると言われています。
体に害を及ぼす諸悪の根源のように見られがちな活性酸素ですが、実は外部から進入してくるウイルスなどを撃退するという大切な働きも持っており、一概に「悪」というわけでもありません。問題は、生活習慣などが原因で余計な活性酸素が増えすぎてしまったとき。攻撃対象が見つからない活性酸素は、健康な細胞も次々に攻撃しはじめます。その結果、健康な細胞が減少し、酸化が加速してしまうのです。
カラダが酸化するとは?
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酸化したリンゴのような現象が、カラダの中でも起こります!
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活性酸素はカラダに必要なもの!?
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活性酸素は本来カラダに必要なもの。たとえば、ウイルスが体内に侵入してきたときには、その強い攻撃力で免疫細胞と手を組み撃退。また、紫外線などの有害光線を浴びた際も、防御反応として発生します。
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免疫力の低下、さらにはがん、動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病など、命に関わる病気のリスクを高めます。
抗酸化力は年齢とともに衰える
過剰に増える活性酸素をどうにかできないものか? そのためには、活性酸素が増える原因である生活習慣を見直すことが第一のステップ。食生活の乱れ、紫外線、過度なストレスなどによって活性酸素は発生します。ただ、現代社会に生きる上で、自分の行動だけでゼロにすることは難しいと言えるため努力目標とすることがポイントです。
第2のステップとしては活性酸素に強い体をつくること。つまり抗酸化力を高めることがとても大切です。人の体にはもともと活性酸素を無害化する機能が備わっており、この機能をフル稼働させて、抗酸化力を保っています。しかし、困ったことにこの機能は40歳を超えたあたりから低下する傾向が見られ、体内では活性酸素優位の状況がつくられていきます。これがいわゆる「老化現象」に結びついていくわけですが、その状況をつくりださないために、体の外から「抗酸化成分」を補うことが唯一の手段となります。ビタミンA、ビタミンCといった誰もが知っているような栄養素も抗酸化成分の仲間。抗酸化成分の種類や働き、食材についてもご紹介していますので、ぜひ参考にして、毎日の食事に取り入れてください。
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カラダからウイルスなどを排除する働きのある活性酸素は、いわば必要悪とも言えます。問題は、私たちが生活の中で活性酸素を増やし過ぎていること。喫煙、ストレス、乱れた食生活などの習慣を見直すことがもっとも大切です。その上で、過剰に発生した活性酸素を除去する「抗酸化成分」に注目してみましょう。
まずは日常生活から活性酸素対策を!
活性酸素発生の原因となる習慣を断ち切ること。カラダのサビ度チェックをしてみましょう! チェックが多いほど、カラダの酸化度が進んでいる可能性があります。
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紫外線による活性酸素は、シミやシワなどの原因になるのはもちろん、皮膚がんや目の病気を引き起こすリスクが高まります。長時間外出する際は、サングラスや帽子などでこまめな対策を。
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さらに抗酸化成分をしっかり摂って、 活性酸素をカラダから減らす!
人間には活性酸素の攻撃から身を守る抗酸化力が備わっており、その抗酸化力の発揮するための源がSOD(活性酸素消去酵素)とよばれる酵素です。年齢とともに抗酸化力が衰えるのは、体内でSODをつくる機能が低下するからだと言われています。そのSODの働きを補うものが、「抗酸化成分」です。
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活性酸素の働きを抑え、活性酸素を取り除く働きがある。βカロテンもビタミンAの仲間。
ニンジン、ピーマン、コマツナ、ホウレンソウ
中性脂肪などの脂質が酸化するのを防ぐ。ビタミンの中でも高い抗酸化力を誇る。
レモン、アセロラ、グレープフルーツ
⇒レモンを使ったレシピ
細胞膜や血中の脂質が酸化するのを防ぐ。「若返りのビタミン」とも呼ばれる。
ウナギ、カツオ、アボカド、ナッツ類
⇒アボカドを使ったレシピ
高い抗酸化作用で活性酸素の働きを抑えるとともに、ビタミンEの働きを助ける性質もある。
肉類、青魚、大豆、ホウレンソウ、ごま油
ポリフェノールの一種。紫外線によってつくり出される活性酸素を除去する働きがある。
赤ワイン、ブドウ、ブルーベリー、紫イモ
カロテノイドの一種。本来、目に多く含まれており、活性酸素を除去する働きがある。
ニンジン、カボチャ、ブロッコリー
カロテノイドの一種。紫外線によってつくり出される活性酸素に強い抗酸化作用を発揮する。
エビ、カニ、鮭、いくら
緑茶ポリフェノールとも呼ばれ、ビタミンEを大きくしのぐ抗酸化力がある。
緑茶
強い刺激臭を持ち、そのニオイの成分が強い抗酸化作用を発揮。血流をスムーズにする効果も。
ニンニク、タマネギ、ニラ、ワサビ、ダイコン
監修:医療法人社団 友志会 ララクリニック 総院長 青木晃先生
この記事を監修された先生

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。