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アンチエイジング

アンチエイジングの方程式

栄養学

2016.08.02

アンチエイジングとサプリメント(下)

 

アンチエイジングにはまずベースが大切!

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一般的には、先に述べたように全体的にビタミン、ミネラルが不足しているのが私たち現代人の食の問題でもあるので、まずはマルチビタミン、マルチミネラル(マルチビタミン・ミネラル)を選ぶのもひとつの方法です。ビタミン、ミネラルは体の中において行われるすべての代謝に酵素系を通して関与しています。代謝は生きていることそのものを表す生化学的反応で、この代謝の過程においては酵素、補酵素というものが必ず関与しています。これらの構成成分がビタミン、ミネラル。ビタミンとミネラルは相補的にも作用していて、どれか一種類でも不足があると、体全体のシステムに影響をおよぼしてしまいます。もう少しわかりやすく言うと、美肌のためにビタミンCやビタミンEを、骨のためにカルシウムをサプリメントで意識的に多く摂っていても、所要量に達していないビタミン、ミネラルがひとつでもあると、代謝レベルはその最も少ない栄養素のレベルに制約されてしまいます。たくさん摂っているはずのビタミンC、ビタミンE、カルシウムも、活用されずに排泄されるだけなのです。

また、ビタミン、ミネラルによって作られる酵素は、最近話題のデトックス(解毒)にも欠かせないもの。解毒の基本的な働きの根本を酵素が請け負っています。代謝を円滑にさせるだけでなく、体内の老廃物や水銀、ヒ素、カドミウムなどの有害ミネラルの排出にもビタミン、ミネラルは欠かせない栄養素とも言えるでしょう。

アンチエイジングのためのベース・サプリメント処方

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まず基本はベース・サプリメントとして、マルチビタミンを中心に、マルチミネラル、食物繊維(ファイバー)系サプリメントを摂ることが薦められます。

ここで言うマルチビタミンとは、βカロテン、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、ビオチン、葉酸、パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKの13種類を指します。これらのベースになるビタミンをきちんと補って土台作りを行ってから、はじめて、さらにビタミンCやビタミンE、あるいはビタミンB群などを加えるようにしましょう。

マルチミネラルは、カルシウム、鉄、マグネシウム、銅、ヨウ素、亜鉛、セレン、クロム、モリブデンなどの種類を含みます(各メーカーによって多少差があります)。ビタミン同様、現代の食生活ではカルシウムをはじめとしてなかなかすべてをバランスよく満たすことが難しいのがこのミネラル。ビタミンの補充と違うところは、ビタミンは化合物なので代謝・分解されるため体内摂取許容量が大きいのですが、ミネラルは元素という物質そのものなので分解されません。摂取の安全領域が狭いので、必要以上に摂るのは逆に危険です。マルチミネラルのサプリメントを摂取しておけば、それに加えて他のミネラルを単独で補充する必要はありません。

食物繊維不足を自覚しているようならば、ファイバー系のサプリメントも加えると良いでしょう。

さらにアンチエイジングを目指す場合のサプリメントは?

抗加齢(アンチエイジング)医学では、老化を促進させる因子として、活性酸素という毒による酸化ストレス(体の細胞が錆び付くこと)というものが重要視されています。現代文明社会では強い連続するストレス、過剰なアルコール摂取、喫煙、大気汚染などの影響によって過剰な酸化ストレスを受ける状況にあります。加齢と共にこの酸化ストレスを除去する力である抗酸化力が低下することが知られており、適切な抗酸化サプリメント(例:ビタミンCやE、コエンザイムQ10、αリポ酸、ゴマのセサミンなど)の摂取はアンチエイジングに働くと考えられています。話題のメタボリックシンドロームは代謝アップにつながるビタミンB群、クエン酸、ニンニク系サプリが有効でしょう。

エイジング(加齢)によるホルモン分泌の低下に対しては、女性であれば、γリノレン酸や適切量の大豆イソフラボンなどを正しく使うことも効果的です。美肌系にはコラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸が、整形外科系(関節痛等)にはグルコサミン、眼科系ではブルーベリーやルテインなどがお薦めです。

いずれにしても、自分の弱点を知って適切にサプリメントを使用することがポイントです。

サプリメント使用上の注意点

●製品個々の成分チェックを

使用する個々の製品そのものの内容についてチェックすることも重要です。サプリメントは医薬品と異なり、同じコエンザイムQ10と名乗るものでも製品ごとに内容成分や吸収効率などが異なる場合があります。とくに内容成分と含有量、原材料などをチェックしてみましょう。同じ成分だからと言って安易に値段の安いサプリメントを選ぶのも問題です。

食材によってはアレルギーを持つ方もいらっしゃいます。サプリメントでもそれは同じ。注意が必要です。

●摂取方法について

サプリメントはその法的な扱いにより、医薬品と同じような服用量、服用方法を明示することができません。あくまでも食品という扱いになるため、「1日4粒を目安に水または、温湯とともに、お召し上がりください」というような表記となります。

一般的には吸収効率の点から言って、食事と一緒(食後すぐ)に摂ることが勧められます。とくに脂溶性のサプリメント(ビタミンA、D、E、Kやβカロテン、コエンザイムQ10など)は脂肪分を含む食事と一緒に摂るほうが吸収が良いことが知られています。食後の血糖上昇を抑えるものや、食事に含まれる脂質の吸収を抑えるような働きのあるサプリメントの場合は食直前などに服用します。またアミノ酸サプリメントをダイエット目的で使用する場合などは運動のタイミングに合わせて摂取します。

サプリメントは硬度の低い(軟らかい)ミネラルウォーターや浄水器などの水、湯冷ましなどで服用しましょう。また、サプリメント選択の際に、錠剤の大きさは必ず確認しましょう。中には大きくて飲みづらいものがあります。

●摂取期間について

サプリメントは、これといった副作用、副反応のない限り、少なくとも1ヶ月間は使用してみてください。一般的にはマルチビタミン・ミネラルのようなベース・サプリメントの場合はその作用機序からして、継続して長く服用するべきものと考えましょう。ある年齢以上における抗酸化サプリメントも同様です。

サプリメントは薬ではないので、すぐに効果を感じられることは少ないのが普通です。

おわりに

アンチエイジングの実践は日々の食生活の見直しと上手なサプリメント選びから始まります。この機会にサプリメントの正しい使用方法を知り、ベース・サプリメントの服用から始めてみませんか?同時に正しい食生活を意識しつつ、運動や睡眠、休息など人間の本来の生活の基本を見直して、健康長寿を目指しましょう。

 

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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