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Health
栄養学
2017.05.01
【特集】腸が変われば、体が変わる
腸が大切な理由とは?
「腸を元気に保ちましょう」テレビや雑誌などでもそういったテーマが多く取り上げられていますが、なぜ腸が大切なのかご存知ですか。体の各臓器はそれぞれ重要な働きがありますが、なかでも腸には食べたものの栄養を吸収して血液をつくるという働きと、一方で食べかすやウイルス、細菌など不必要なものを排泄する2つの重要な役割を担っています。そのため、腸の働きが悪くなると、栄養分の吸収力が弱まり、健康な血液が体内に行き届きにくくなってしまい新陳代謝が悪化。本来のサイクルが行われず、細胞がどんどん老化してしまうのです。また、排泄機能が低下すると便秘や下痢が起こりやすくなりますが、便秘の場合は、腸の中で便が腐敗してしまい、毒素を産出します。この毒素が血中に混ざり、体の不調や吹き出もの、口臭や体臭の悪化となって現れてしまいます。また、下痢の場合は栄養が吸収されずに食べたものが体外へ排泄されてしまうため、栄養不足を招いてしまう可能性があります。
体に必要な栄養を取り込み体に不必要なものを出す。2つの重要な役割を担っているのが腸。腸は健康の合わせ鏡とも言われ、腸を元気にしておかないと、不調をきたすだけでなく、老けて見られるということもよくある話です。
腸は体内最大の免疫器官
これだけでも腸には重要な働きがあることがお分かりいただけたと思いますが、最近の研究では腸内環境の悪化が、免疫力の低下にもつながるという可能性が指摘されています。実は腸には体全体の約6〜7割の免疫細胞が集中しており、これらがウイルスや有害物質から体を守っています。皆さんの中にも風邪をひいて、下痢になったという経験をお持ちの方も多いと思います。これはウイルスによって免疫細胞の働きが弱まったから。つまり腸を元気にすることは、免疫細胞を強く保ち、病気になりにくい体をつくるという関係性もあるのです。
善玉菌を増やす食生活を
では、腸を元気に保つにはどのようにすればよいのでしょう。そのカギは腸内細菌のバランスにあります。腸内にはさまざまな細菌が住んでいますが、元気のない腸は悪玉菌優位であり、そして、ストレスによってダメージを受けた腸は悪玉菌増殖に絶好の環境となってしまいます。腸を元気にするためには、悪玉菌の宿敵である善玉菌を増やさなければなりません。肉も野菜もバランス良く食べるとともに、特に善玉菌の好物であるオリゴ糖や食物繊維を積極的に食べることが、腸内細菌のバランスを整える重要なポイントとなります。また、善玉菌が好むのは、腸内の毒素除去の働きを持つ酵素が蓄えられている環境です。左ページに善玉菌優位にし、腸が元気になる食材を具体的にまとめましたので、ぜひ参考にして、毎食取り入れてください。
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった細菌が100兆個以上もいると言われています。善玉菌優位のバランスがとられることで、腸は正常な働きをしますが、悪玉菌が増えすぎるとそのバランスが崩れ、腸内環境が悪くなってしまいます。
善玉菌が増えてしっかり働く!腸うれしい食材はコレ
腸内環境改善には、ストレッチや運動なども有効ですが、一番良いのは食生活を整えること。
善玉菌を増やす食材をご紹介します。

善玉菌そのものを増やす発酵食品
善玉菌の代表格が乳酸菌やビフィズス菌。これらは発酵食品に多く含まれています。直接摂ることで善玉菌優位の腸内環境をつくりましょう。
善玉菌を多く含む発酵食品
ヨーグルト、納豆、漬け物類、牛乳、味噌、チーズ、キムチなど

善玉菌のエサとなる食材
善玉菌が腸内で勢いづくには、善玉菌のエサを、たくさん食べること。善玉菌はオリゴ糖や食物繊維が大好き。反対に悪玉菌は肉類に含まれる動物性脂肪を好みます。
オリゴ糖を多く含む食品
バナナ、りんご、はちみつ、玉ネギ、キャベツ、大豆など
食物繊維を多く含む食品
干し柿、アボカド、ひじき、納豆、切り干し大根など

善玉菌が住みやすい環境づくりの鍵となるのが酵素。もともと善玉菌は体内で酵素をつくっていますが、生産量が減ると、悪玉菌が優位な状態になってしまいます。
酵素を多く含む食品
酵素は、発酵食品や生野菜やフルーツに多く含まれますが、加熱によって壊れやすいのが特徴。サプリメントなどでの補給がおすすめです。
監修:管理栄養士 新生暁子先生
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