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2016.11.24
特集:耳鳴りと難聴―意外と知らない耳の病気―
耳は聴覚だけでなく、身体の平衡感覚を司っています
私たちの耳は二つの大切な役割を担っています。ひとつは空気の振動を音として受け取り、脳に伝える「聴覚」と呼ばれている働きです。もうひとつは、身体の姿勢を脳に伝えて「平衡感覚」を保つ働きです。平衡感覚には耳の最も深いところにある内耳という部分が関わっています。聴覚については、耳の一番外側にある外耳から中耳、内耳までのすべての器官が関連して繊細に機能しています。
少し詳しく耳の仕組みを見てみましょう。外耳とは耳介(じかい)と外耳道の部分です。耳介は外側から見える、私達が耳と呼んでいる部分です。これがパラボラアンテナのように音を集め、どこから音がしているかを特定します。外耳道は耳の入口から鼓膜までの約20〜30mmの穴です。
中耳とは鼓膜の奥にある空洞のことです。中耳にはツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨という三つの耳小骨(じしょうこつ)があり、外耳道を通ってきた音は鼓膜を振動させ、耳小骨は「てこ」の作用によってこの振動を調整し、内耳に伝えます。
内耳は、聴覚を司る蝸牛(かぎゅう)と、平衡感覚を司る三半規管、前庭器で構成されています。蝸牛の内部はリンパ液で満たされており、中耳を伝わってきた振動はリンパ液に小さな波を立てて、蝸牛の有毛細胞を刺激します。この刺激が電気信号となり、音として大脳に伝えられるのです。
また、三半規管と前庭器は、内部のリンパ液の動きで身体の傾きや動作の速度を感じ、平衡感覚を保っています。
歳をとれば衰える耳の機能
最近、テレビなどの音量が大きいと指摘されたことはありませんか?
音が聞こえにくくなることを「難聴」と言いますが、人は歳を重ねれば自然と「聞こえ」も悪くなってくるものです。聴力はだいたい40歳を過ぎたあたりから低下していきます。65歳以上の男性の3人に1人、女性では4人に1人は難聴だと言われています。聴力低下の度合いは個人差が大きく、ゆっくり進行していくことが多いため、自分でも気付かぬうちに難聴になっていた、ということも少なくありません。「おや?」と思ったら、聴力検査を受けるなど早めの対応が大切です。
いろいろな耳の病気
脳梗塞が起こりやすい時期と時間帯には特徴があります。6月から8月の夏場、睡眠中と朝の起床後2時間以内に集中して発症することがわかっています。起床時には血圧が上昇するので、就寝前と起床後にコップ一杯ずつの水を飲むことが夏の脳梗塞予防につながります。
冷房病は夏特有の病気
1)耳鳴り
聴覚はとても繊細な耳の構造から成り立っています。耳の周辺器官にトラブルが生じると、多くの場合、「耳鳴り」の症状が現れます。静かな場所なのに耳や頭の中で「キーン」という高い音や「ゴーッ」とか「ザーッ」という低い音が聞こえます。聞こえる音の種類もさまざまです。
耳鳴りは、体の外側や内側のどこにも「音源」がないにも関わらず、本人にしか聞こえない「自覚的耳鳴り」と、身体内部に何らかの音源があって、他人にも実際に聞こえる「他覚的耳鳴り」の二種類に大別されます。
ほとんどは自覚的耳鳴りで、はっきりした原因は分かっていませんが、多くの場合「難聴」を伴っています。しかも、耳鳴りで聞こえる音と同じような性質の音が聞こえにくくなっているケースがほとんどです。
2)老人性難聴
よく使われる表現で「耳が遠くなる」と言います。それが「老人性難聴」です。年齢を重ねたことで内耳の機能が低下したり、聴神経細胞の減少などによって起きる難聴です。初期段階では難聴の自覚はなく、耳鳴りだけが聞こえるという場合もあります。老人性難聴では、まず両耳に高音の耳鳴りが聞こえ始めるため高い音が聞こえにくくなり、序々に音域が広がって低い音も聞こえにくくなってしまいます。「耳が遠いのに悪口だけはよく聞こえる」と言われるのは、高い声は聞こえにくくても、低いヒソヒソ声は聞こえることからきていると考えられています。
この老人性難聴には効果的な治療法が見つかっていません。しかし、放置しておくと言葉によるコミュニケーションに悪影響が出てきます。高齢の方の中には難聴や耳鳴りで聞こえが悪いため、会話の内容が分からなくてもただ頷いていたり、ニコニコ笑うだけでやり過ごしてしまうことがあります。「どうせ聞こえないから」などと思わず、大きな声でゆっくり会話するよう心がけてください。高齢の方にとって、コミュニケーション不足も問題です。
また、加齢による言葉の聞き取り能力の低下や初期の認知症によって会話が成立しないこともあります。このような状態が続けば会話や外出がますます億劫となり、うつや認知症を進行させてしまう場合もあります。
必要なら補聴器で聴力を補うことも検討しましょう。補聴器を利用する際は、家族も使い方や管理方法を知り、ベストな状態で使えるよう協力することが大切です。
3)メニエール病
激しいめまいと同時に、耳鳴りや難聴を感じた場合は「メニエール病」の疑いがあります。内耳障害の一種で、耳鳴りの症状を伴う病気です。メニエール病は、内耳のリンパ液が過剰となって水ぶくれ(内リンパ水腫)を起こし、神経を圧迫して、めまい、耳鳴り、難聴などを引き起こしますが、病気そのものの原因は分かっていません。先進国で生活する人に多く発展途上国の人には少ないことから、この病気の発症にストレスが関係すると考えられています。
メニエール病は何の前触れもなく周囲がぐるぐる回るような激しいめまいに襲われるのが特徴で、30歳代後半から40歳代の女性に多く発症する傾向があります。発症者の多くは几帳面で責任感が強く、精神的・肉体的疲労、ストレス、睡眠不足などが引き金になることが多いと言われています。激しいめまいが30分ほど続き、耳鳴り、吐き気、嘔吐、冷や汗、脈拍が速くなるといった症状も見られます。
またメニエール病は生命に危険をおよぼすような病気ではありませんが、症状が悪化してしまうと治療が困難になるため、できるだけ初期のうちに医師の診断を受ける必要があります。
早期の診療・治療は耳鳴りを伴うあらゆる難聴についても同様です。
耳をいたわる生活習慣
耳の疲れは、聴力に大きな影響を与えます。日頃の生活習慣を見直して、耳へのストレスを軽減してあげましょう。
1)騒音の激しい場所を避ける
長時間大きな音を聞き続けると、難聴を引き起こすことがあります。例えば、カラオケボックス、量販店、工事現場、パチンコ店などです。なるべく大音量の中で長時間過ごさないように気をつけましょう。
2)大音量で音楽を聴かない
ヘッドホンやイヤホンを使う時は、長時間聞かないように気をつけましょう。
3)十分な睡眠時間をとりましょう
内耳の細胞の疲れは約8時間で回復すると言われています。なるべく夜更かしを避けて耳の疲れを癒しましょう。
4)規則的な生活で自律神経のバランスを整えましょう
耳はストレスに影響されます。昼夜逆転の生活は改め、体内時計を整えることが大切です。
そのため、軽いストレッチや散歩で身を動かしたり、食事は3回決まった時間に摂りましょう。アロマテラピーや入浴など、自分なりのやり方で身心をリラックスさせましょう。
5)医師に相談して、補聴器を使いましょう
耳の聞こえが気になったら、早めに医師の診断を受けて、必要なら補聴器などを試してはいかがでしょう。
6)「ハチの子」
数千年前から中国で漢方として珍重されてきた「ハチの子」。
ミツバチは卵からさなぎになるにつれて、アミノ酸が増加します。特にハチの子の全体の2%しかいない生後21日目のオスのハチの子は、極めて栄養価が高いと言われます。人体では作れないアミノ酸やビタミン、ミネラルが豊富で、体の様々な偏重を整えると言われています。