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2016.11.24

特集:増える脂肪肝 肝臓をいたわる生活習慣を。

最近、脂肪肝や肝硬変なんて言葉をよく耳にするけど、お酒を飲まないのに肝臓が悪くなることもあるのかなぁ。そもそも肝臓にはどんな役割があるんだろう?教えて中山博士!」「肝臓は、食べ物から摂り入れた栄養素を体全体におくり、有害なものを体外に排出する働きを担っています。肝臓を守ることは、健康を守ることでもあるのです。今月は肝臓の働きと、生活習慣病を下地として起こる脂肪肝についてご説明しましょう。」

 

生産、集配、処理を受け持つ工場のような肝臓の働き

 肝臓はおなかの中心から右寄りにあって肋骨に守られています。脳と並んで人体で最も大きな臓器で、その重さは約1〜1.5kgもあります。大きな右葉と小さな左葉に分かれ、他の臓器と血管や胆管などでつながっています。
 主な血管は、心臓からの血液が流れ込む「肝動脈」、消化管で吸収された栄養素を運び込む「門脈」、肝臓で処理された血液を送り出す「肝静脈」です。
 肝臓の働きは大きく分けて3つあります。それは、代謝、解毒、胆汁の分泌です。

代謝

 食物から吸収した栄養素は、そのままの形で利用することはできません。そこで肝細胞は門脈から栄養を取り込むと、それらを体の要求する形に作り直したり、一時的に貯蔵した後、必要に応じて血液中に送り出します。代謝とは、このようにある物質を別の物質に変える働きです。たとえば主なエネルギー源であるブドウ糖は、小腸で吸収された後、肝臓でグリコーゲンに変えられて貯蔵されます。そして、必要に応じて再びブドウ糖に合成され、血液中に放出されます。肝臓は、糖質・たんぱく質・脂肪の3大栄養素をはじめ、あらゆる物質の代謝中心となっています。

解毒

 体外から入ってくるアルコールや薬物、体内で発生する有害物質などを無害にして水に溶けやすい形に変え、尿や胆汁の中に排泄します。

胆汁の分泌

 胆汁は肝細胞で作られ、その主な成分は脂肪やビタミンの消化を助ける胆汁酸です。また胆汁酸は肝臓で処理された不要な物質を排泄する役割も担っています。胆汁は胆管を通って胆嚢にたまった後、十二指腸に分泌され、便に混ざって排出されます。

 このように肝臓は、栄養素などの生産工場、貯蔵庫、集配センター、処理工場といった役割を果たしているのです。
 これほど重要な役割を持つ肝臓が病気になると、肝細胞が次々と破壊されていきます。しかし、もともと余力のある臓器なので、病気になってもなかなか自覚症状が現れません。ダメージを受けても自分で修復しながら黙々と働いているのです。肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるのはそのためです。
肝臓の位置と働き

 

最近増えている脂肪肝。ここ10年間でおよそ2倍にも

 我慢強く、働き者の肝臓という臓器。そうであるからこそ、肝臓は病気になっても症状が出にくく、自覚症状が出たときには、かなり進行しているというケースも珍しくありません。
 そんな肝臓の病気の中でも、特に増えているのが「脂肪肝」です。脂肪肝とは肝臓の中に中性脂肪がたまるもので、日本ではここ10年の間に患者数はおよそ2倍にもなり、その増加ぶりが懸念されています。
 脂肪肝の増加の背景には、飲酒や肥満、運動不足、甘い者の摂りすぎといったことが考えられ、習慣的にお酒をたくさん飲む人(日本酒で1日平均3合、ビールで大瓶3杯以上飲む人)の場合では、その部分に脂肪肝が認められます。
 この脂肪肝は、「アルコール性脂肪肝」と「非アルコール性脂肪肝」の2つに大別され、アルコール性の脂肪肝では肝硬変への移行もありうるため、特に注意が必要なことが従来から広く知られています。
 一方、お酒をあまり飲まない人の間でも、非アルコール性脂肪肝が増えており、その1割程度は炎症を起こし、肝細胞が壊れて肝硬変へと移行することがわかってきました。それが「非アルコール性脂肪肝炎」(NASH)と呼ばれる病気です。
 これまでは、脂肪肝から脂肪肝炎、そして肝硬変へと進行するのは、ほとんどが「毎日たくさんお酒を飲む」といった人のケースと考えられ、そうでない人の脂肪肝はあまり心配することはないと思われてきました。
 しかし、非アルコール性脂肪肝炎は、その名前の通り、アルコールと無縁であるような人でもかかり、肝硬変へと進行する場合があるのです。罹患の大きな要因としてあげられるのは、肥満、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病です。これに加えて酸化ストレス、サイトカイン(内臓脂肪から分泌されて炎症を増幅させる)、肝臓への過剰な鉄分の蓄積なども指摘されています。
どんな状態を脂肪肝というのでしょう?

 

積極的に検査を受けて、該当すれば生活習慣の改善を

 アルコール性の場合でも非アルコール性の場合でも、脂肪肝には自覚症状はほとんどありません。せいぜい「疲れやすくなった」、「だるい気がする」といった程度のものです。しかし血液検査や超音波検査(エコー検査)などで容易に発見されるので、少しでも気になるようであれば積極的に検査を受けましょう。
 アルコール性の脂肪肝と診断された場合、必要なのはまず禁酒。非アルコール性の脂肪肝の場合であれば、減量と運動です。減量はリバウンドを防ぐため少しずつ体重を減らしていくようにします。急激な減量では、かえって悪影響を及ぼすことがあります。
 運動は、すぐ目に見えて改善効果が出るというものではありませんが、根気よく続けることが大切です。ただ減量するということではなく、筋肉をつけることを目標にするようにしましょう。高齢であっても、筋肉を鍛えることは決して不可能なことではありません。適度なウォーキングであっても脚部に筋肉をつけることはできますし、筋肉量を増やすことによって糖や脂肪代謝も改善されるのです。そのうえで食事や睡眠など、規則正しい生活習慣を守りましょう。脂肪肝の予防・改善だけでなく、体全体の健康につながる大切なポイントです。
生活を見直して肝臓をいたわりましょう!

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