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2016.06.07

『低炭水化物ダイエット』と 『低インスリンダイエット』(下)

それぞれのダイエットの原理

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炭水化物をコントロールすることでやせるダイエット方法として、二つの有名なダイエット法があります。ひとつは『低炭水化物ダイエット』、もうひとつは『低インスリンダイエット』です。前者は名前のとおり、炭水化物の“量”そのものを減らそうという方法で、後者は炭水化物の“質に”注目した方法です。同じ炭水化物でも白米と玄米とでは食後の血糖値の上がり方に違いがあり、白米に比べると玄米の方が血糖値を上げにくいことが知られています。血糖の上がり方が急峻であればあるほど、インスリンもたくさん分泌されることになります。なるべく血糖値を上げにくい炭水化物を選んで食べれば、過剰なインスリン分泌を抑えることができると言うわけです。

ではこれらの方法でなぜダイエット(減量)できるのでしょうか?

まずは低炭水化物ダイエットの原理を説明します。通常、私たち人間はブドウ糖をエネルギー源として利用しています。炭水化物はブドウ糖の塊のようなものですから、炭水化物を普通に摂っている際にはブドウ糖に不自由しません。ところが炭水化物の摂取量を極端に減らすと、ブドウ糖を使うことができないので脂肪をエネルギー源として利用する系にチェンジせざるを得ません。余分に蓄えられた体脂肪がエネルギーとしてどんどん使われるため痩せていくのです。栄養学的には炭水化物の摂取量は総摂取エネルギー量の55〜60%にすることが勧められていますが、低炭水化物ダイエットにおいては5〜40%程度に制限します。炭水化物の摂取量を5%に抑えると、これは体内での生化学的な代謝理論から確実に脂肪が減っていきます。その意味では実行さえ可能ならば、誰にでも当てはまるダイエット法と言えます。しかし、元来穀物類を主食として食べ続けてきた農耕民族である日本人の食生活において、『ご飯』を食べないダイエット方法は決して長続きするものではありません。理論的には合理的であっても、その後のリバウンド率が高い(筆者もその一人)ことを考えると、ダイエット法としての限界もあり適応は限られてくるようです。

一方、低インスリンダイエットは、炭水化物の“質”に注目した方法と言え、血糖値を上げにくい炭水化物を選んでいくことでインスリンの過剰分泌を抑えようというもの。先述したようにインスリンは血糖値をコントロールする(下げる)大切なホルモンですが、脂肪を蓄積させる様にも働くホルモンなので、年がら年中インスリンが高い状態にあるとなかなか痩せにくいわけです。血糖を上げやすい炭水化物、上げにくい炭水化物を選別するのがポイントであるこの方法において使われるのがGI(グリセミック・インデックス)値という指数です。これは50gのブドウ糖の吸収の程度を100としたとき、ある食品(同量の糖質を含む)はブドウ糖の吸収率に比べて30しか吸収されなければ、そのGI値は『30』になります。数値が高いものほど血糖値の上昇が急峻で、数値が低いものほど血糖上昇は緩やかになると言えるので、血糖値を上げにくい食品を選ぶことが可能になるわけです。

 

 

低インスリンダイエットでは脂肪は減らせない?

2002年に日本で大ブームとなった『低インスリンダイエット』はこのGI値に着目して、「カロリー計算はしなくていい」「GI値の低いものを選んで食べれば量は気にすることはない」「運動しなくても大丈夫」というセンセーショナルな謳い文句で広まったわけですが、これは間違い。低インスリンな状態だけでは太りにくい状態にはなりますが、積極的に脂肪を減らすことにはつながりません。どんな食材を選ぼうとも、カロリーオーバーが続けば太っていきます。適切な食事コントロールの下、運動が伴ってこそ医学的に正しい減量=ダイエットが成功するのです。その証拠に今はもう、あのとき流行った『低インスリンダイエット』は跡形もありません。

もうひとつ、GI値の概念そのものにも問題がありました。血糖値の上がり方(糖代謝)は同じ人でも条件によってかなり大きく変動します。食後だったり、寝不足だったり、運動後であったり、風邪を引いていたり、下痢気味のときでは違ってきます。個々人での差もかなりあります。また、もっと根本の問題として、食材そのものをそのままそれだけで食べるようなこと自体がバーチャルだと言えるでしょう。生のままでなく、煮たり焼いたりしたらGI値は変化します。同じバナナでも、まだ青いものと熟しきったバナナではGI値は大きく異なります。切り方の違いや、すりつぶしたりしても変わりますし、蛋白質や脂質などと合わせて調理した場合、単材のGI値は何の意味も持たないものになってしまいます。GI値は生活の中の食事における数字ではなく、実験室での研究上の数字とも言えるのです。GI値のような「指数」という科学的信憑性を匂わす言葉と「インシュリン」という医学用語の魔術によって、当時は多くの人がはまってしまったようですが…。

 

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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