Health

パーツ別お悩み

2022.10.18

【特集】筋肉はいくつになっても鍛えられる!


 
加齢による筋肉の衰えは、日常生活を制限するだけでなく、糖尿病などの病気の重症化リスクにもなることが分かってきました。でも、あきらめる必要はありません。いくつになっても年齢に応じた方法で筋肉を鍛えることは可能です。今回は、鍛えるための3つのポイントをレクチャーします。
 

あなたの筋肉の衰え度をチェック!
□ 肩こりや腰痛がひどくなった
□ 体重は変わらないのに体型が崩れた
□ 椅子から立ち上がりにくくなった
□ 階段を昇ると息が上がる
□ 電車で立っていられない
□ つまずきやすくなった
□ 車のハンドルが重く感じられる
□ ペットボトルのフタが空けにくい
□ 以前に比べると疲れやすい
□ むくみやすくなった

 
 

加齢による筋肉の衰えが糖尿病の重症化にも影響

 「最近、椅子から立ち上がりにくい」「買い物の荷物を持つのが大変になってきた」「階段の昇り降りがつらい」。日常生活の中で、こんな違和感を持ったおぼえはありませんか? もしも心当たりがあったら、サルコペニア※(筋肉量の減少および筋力の低下)かもしれません。
 一般的にいって、筋肉のピークは40歳頃。その後、日常生活での活動量が落ちることで運動不足になり、食事の量や内容も変わってタンパク質が不足しがちになります。こうしたことから、代謝で新しくつくられる筋肉よりも分解される筋肉のほうが多くなってしまうのです。現在、65歳以上の日本人の10人に1人以上がサルコペニアに該当するといわれています。そして、高齢になるほどその割合は増し、女性よりも男性が多いことが分かっています。筋肉量の減少は、体が思うように動かせなくなるだけでなく、さまざまな不具合をもたらします。たとえば、体幹筋肉の減少は腰痛を引き起こし、抗重力筋※の減少は姿勢の悪化や体の歪みの原因になります。その結果、買い物や掃除、車の運転といったIADL※(手段的日常生活動作)に影響が表れ、やがては食事や排せつ、入浴、着替えといったADL※(日常生活動作)にも影響が出てきます。また、近年では、糖尿病をはじめとしたさまざまな疾患の重症化や生存期間にも関わることが分かってきました。

今月の注目ワード

●サルコペニア
加齢による筋量減少と筋力低下の症状。以前は一般的な「老化現象」として扱われていましたが、2016年に国際疾病分類に登録されたことで、現在では「疾患」のひとつに位置付けられています。
 
●抗重力筋
体を地面に引き寄せる重力に対抗して、姿勢を保つために使われる筋肉。下腿三頭筋、大腿四頭筋、大臀筋、腹直筋、広背筋などがこれに当たり、相互にバランスを取って姿勢を維持しています。
 
●IADL/ADL
IADLは洗濯、掃除、買い物、電話などADLより高次の日常動作。ADLは食事、排せつ、入浴、着替えなどの生活に不可欠な動作。IADLが低下してくると、自立した生活がしにくくなります。

 
 
 

ここをチェック!男女別筋肉の衰え方

ある調査によると、50歳から80歳までの間における筋肉量の減少率は、女性は約12%で男性は約18%。男性のほうが急激に低下するという結果が出ています。また、加齢に伴う筋肉量の変化を部位別に調査した別の研究では、男女ともに足が最も減少しており、さらに男性は体幹部や腕の減少も顕著でした。
 

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出典:谷本芳美,渡辺美鈴,河野令,広田千賀,高崎恭輔,河野公一. 日本人筋肉量の加齢による特徴
日本老年医学2010:(47)52-57. (出典を参考にしてわかりやすくしています)

 
 
 

筋肉の衰えを食い止めるための3つのポイント

 では、加齢による筋肉の衰えを食い止めることはできないのでしょうか? もちろん、できます。何歳になっても筋肉は鍛えられるのです。そのためのポイントは3つ。食事、日常生活で動くこと、そして適切な体へのサポートです。まず食事は、さまざまな食材をまんべんなく食べることが基本。その上で、筋肉の原料となるタンパク質を毎日しっかり食べましょう。とくに、アンセリン(イミダゾールペプチド)やロイシンを多く含む鶏むね肉、マグロ、カツオがおすすめ。また、タンパク質の吸収を助けるビタミンB2・B6を多く含む焼きのりや納豆、筋肉の強化にかかわるビタミンCを多く含むブロッコリーや赤ピーマンも一緒に摂るといいでしょう。
 2つ目は日常生活において無理のない範囲で体を動かすこと。床ふきなどの筋肉を使う掃除をしたり、外出先でなるべく階段を使い日常動作を手軽な運動に変えてみましょう。もし可能なら自宅でハーフスクワット、もも上げ、かかと上げなど下半身を中心に、ゆっくりとした動きで筋肉に負荷をかけても。転倒しないよう、壁に手をついたり、椅子に座ったままでも構いません。なお、動いたあとの45分は、傷ついた筋肉が修復される特別な時間です。このときにタンパク質を摂取すると、通常の数倍も吸収力が高まります。豆乳やプロテインドリンク(高タンパク飲料)などでタンパク質補給をするのがおすすめです。

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サプリやサポーターを活用して無理なく楽しい「筋肉習慣」を

 健康寿命を延ばすためには、筋肉量を減らさないことがとても重要です。でも、がんばり過ぎには注意。食事も体を動かすことも無理をすると体に余計な負担がかかって逆効果の上、楽しくないので長続きしません。そこで、3つ目のポイントです。体が動きづらいときは必要に応じて、サプリメントや膝・腰のサポーターなどを活用しましょう。大事なのは、無理なく楽しく続けること。いくつになっても生き生きと過ごすために、できることから「筋肉習慣」を始めてみましょう。

 
監修:済生会横浜市東部病院(整形外科)
船山 敦先生

この記事を監修された先生

船山 敦ふなやま あつし

TV番組等で、一般視聴者にも医学用語をわかりやすく解説し好評を得ている。慶應義塾大学医学部卒。日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本体育協会スポーツドクター認定医。専門は、股関節外科、膝関節外科、人工関節手術。

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