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季節の症状
2022.09.13
【特集】低気圧になると片頭痛はなぜ起こる?
気圧と片頭痛
季節の変わり目や気圧の変化などによって体調が悪くなるという方はいませんか?それらを一般に「天気病」などと呼びますが、今回はその症状のなかでも多くの人が悩んでいる「片頭痛」についての原因と対策をご紹介します。
□ よく耳鳴りがする
□ 雨が降りそうな天気がわかる
□ 乗り物酔いしやすい
□ 新幹線や飛行機に乗ると耳がツーンとなる
□ 慢性的に片頭痛がある
□ 肩がこりやすい
□ デスクワークが多い
□ ストレスを感じやすい
脳の血管が拡張して起こる片頭痛。まずはストレス回避から。
台風が多くやってくるこの季節、気圧の変化とともに片頭痛に悩まされている人も多いかもしれませんね。最近は病院にも頭痛外来が増えていますが、患者数が増えるのが梅雨時の6月と9月だそうです。では、なぜ気圧が低くなると頭痛が起こるのか…。その理由は、まず気圧への理解が必要になってきます。私たちの体は、常に大気の圧力を受けた状態ですが、低気圧になると、それまで押さえつけていた圧力が弱くなり、イメージとして体が解放されたような状態になります。人間の体は成人で約60%の水分を含んでいると言われていますので、脳内でも水分バランスが乱れ、むくんだような状態になります。当然血管も体の一部ですので拡張し、その結果、脳の血管を取り巻く神経を刺激し、片頭痛が引き起こされるわけです。

気圧の変化によって、自律神経が反応。体内の水分バランスが乱れ、 むくみや血管の拡張が起きやすくなる

血管が拡張すると、血管を取り巻く三叉神経が圧迫され頭痛が起こる
低気圧片頭痛に対する予防と対処
できれば頭痛は避けて通りたいもの。しかし、天気を変えるということは流石に無理ですので、予防が大切になってきます。いくつか予防策をご紹介していますが、肝心なのはストレスをなるべく遠ざけること。低気圧片頭痛がある人は、一般的にストレスを感じやすいという傾向がありますので、日常的にリフレッシュする時間をつくる、規則正しい生活をして、睡眠もしっかりという習慣を心がけて健康の土台を整えることが大切です。その上で、栄養の管理、ツボ押しやマッサージといった予防が有効に働きやすくなります。また、痛みの対処としては片頭痛の場合は患部を冷やす、カフェインで血管を収縮させるなどの効果もありますが、痛みが治らない場合は、暗室で横になるのが一番です。慢性的な片頭痛に悩んでいる方は、重大な病気が潜んでいる可能性もありますので、自分で判断せずに頭痛外来に相談しましょう。
片頭痛にならないための予防
【予防】頭痛予防に効果のある食品を食べる
血管のむくみを抑える働きがあるマグネシウムや、血糖が下がると血管が広がるので糖分を補給する。
【予防】特に気圧変化時はストレスを緩和する
ストレスを受けやすい人は血管が収縮しやすい傾向があるため、気圧で血管が拡張すると片頭痛になりやすい特徴があります。ストレス体質を自覚している場合は、気圧の変化が激しい時はストレスを緩和することが大切。
片頭痛になってからの対処
【対処】暗い部屋で横になって休む
片頭痛は光の眩しさや音などで痛みが増すことがあります。そうした頭痛が増幅する要因を遮断し、暗い部屋で安静に過ごすことで痛みが治まりやすくなります。
【対処】冷やしたり、コーヒーを飲んだり
拡張した血管を収縮させるための対処療法として患部を冷やすのもおすすめ。それだけで痛みがかなり改善するケースもある。また、コーヒーなどに含まれるカフェインも血管収縮効果がある。
【予防】と【対処】耳マッサージで内耳の血流を促進
耳を上下左右に引っ張ったり、クルクル回すことで、気圧の変化を感じ取る「内耳」の血流やリンパの流れを促し、予防になる。
監修:抗加齢医学専門内科医
青木 晃先生
この記事を監修された先生

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。