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2022.01.18
【特集】冬のかゆみ、どう撃退する?
空気が乾燥してくると、肌もカサカサ。どこからともなくやってくるかゆみに悩まされていませんか?今回は、冬のかゆみのメカニズムにふれつつ、その対策についても考えていきます。
かゆみ対策の最大防御は1にも2にも保湿が重要。
冬になると出てくるむずむずしたかゆみ、「もう我慢できない!」という人もいるのではないでしょうか。人の肌の奥にはかゆみ神経というものが存在しており、普段は大人しくしていますが、ひとたび「乾燥」によって肌のバリアが崩れると外部刺激が肌内部まで侵入し、このかゆみ神経を刺激するのです。そうなると、本能のままに掻きたい衝動にかられてしまうのです。このかゆみの初期段階は、「老人性乾皮症」と診断される症状で、ここから無理に掻いてしまうとさらに症状が悪化し、「皮脂欠乏性湿疹」へと進展してしまいます。
肌が乾燥する季節に多い!どうしてかゆみはおこる?
冬にかゆみが起こりやすい原因の一番の理由は空気の乾燥。肌の水分が奪われるとバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなると考えられています。
さらにもうひとつ!加齢も乾燥とかゆみを引き起こす原因
冬の空気の乾燥に追い討ちをかけるのが、加齢。肌は皮脂と呼ばれる脂質の膜をつくって水分の蒸発を防ぎますが、年齢とともに皮脂量が少なくなるため、乾燥が助長されてしまいます。
皮膚の乾燥によって起こる老人性乾皮症
↓掻くことで症状がさらにひどくなる
さらに激しいかゆみと肌表面に炎症が起こる皮脂欠乏性湿疹
冬の乾燥とかゆみを防ぐためにやっておきたいこと、やってはいけないこと
乾燥とかゆみを引き起こさないために大切なのは、日常生活をどう過ごすかということになります。正直なところ、肌の乾燥は加齢とともに誰にでも起こりますので、肌に合うものを選んでいただくといいでしょう。また、暖房の風が直接当たらないようにしたり、お風呂の入り方に気をつけたり、肌を乾燥させる原因を遠ざけることも重要です。今回は「やっておきたいこと、やってはいけないこと」という切り口でかゆみ対策をご紹介しましたので、男性女性を問わず、ぜひ実践してください。
やっておきたいこと
加湿器を活用する
暖房は乾燥を引き起こす大きな要因の一つです。暖房を使う際は、加湿器を併用し、お部屋の湿度を40〜60%保つようにしましょう。
保湿剤を毎日使う
乾燥対策でもっとも重要なのは保湿。保湿剤は乾燥によって水分が逃げないように皮膚表面にフタをする役割があります。冬は、かゆみが出る前に市販されている保湿剤を選んでつけるのがおすすめです。すでにかゆみがある場合には、医師に処方してもらうようにしましょう。
ビタミン類をしっかり補給する
加齢によるターンオーバーの乱れも乾燥の原因です。ターンオーバーとは細胞が生まれ変わるサイクルのこと。この生理現象を正常化させるには、様々なアプローチが必要ですが、ひとつはビタミンA、B2、B6、Cをしっかり摂ること。マルチビタミンなどで効率的に補給することをおすすめします。
やってはいけないこと
かゆい部分を掻く
かゆいからといって掻いてしまうと、角質がどんどん剥がれてしまい、地割れのような赤みが出て、さらにひどいかゆみへとつながります。こうなると保湿だけでは手をつけられず本格的な治療が必要になります。
チクチクする衣服を着る
セーターなど、チクチクと肌に刺激のある衣類はなるべく避けたいところです。着る場合は、肌着などで直接肌に当たるのを防ぎましょう。また、ゴムなどで圧迫する衣類もかゆみを誘発しますので注意が必要です。
長湯&ゴシゴシ洗う
お風呂は肌をうるおすと思われがちですが、熱いお湯に長時間浸かると、乾燥を助長してしまいます。39度くらいの少しぬるめのお湯がおすすめです。また、タオルでゴシゴシ洗いすぎるのも肌への刺激となるため優しく洗いましょう。
適量以上のアルコール摂取
体がぽかぽかと温まるとかゆみが強まりますので、アルコールや香辛料など体温を上昇させる飲み物や食事はなるべく避けるようにしましょう。
監修:水道橋ひふ科クリニック 院長
神島 輪先生
この記事を監修された先生

東京女子医科大学病院、シロノクリニックなどでの勤務を経て、水道橋ひふ科クリニックを開業。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医、日本皮膚科学会正会員、サーマクール認定医、ウルセラ認定医。