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アンチエイジング

アンチエイジングの方程式

2017.05.23

睡眠とアンチエイジング(その2)

レム睡眠、ノンレム睡眠とは?

良質な睡眠を取ることがなぜ、アンチエイジングにつながるのでしょうか?それを説明するためには、睡眠のメカニズムを知る必要があります。

睡眠にはリズムがあることがわかっています。レム睡眠、ノンレム睡眠という言葉を聞いたことはありませんか?因みにレム睡眠とはRapid eye movement sleep=REM sleep、ノンレム睡眠はNon- Rapid eye movement sleep=Non- REM sleepのことです。睡眠中はこのレム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されます。レム睡眠では体は眠っていても、脳は覚醒に近い状態になっています。ノンレム睡眠はそれとは逆に体の筋肉の休息はそれほど深くはありませんが、脳はしっかり休んでいます。

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上の図をご覧下さい。大人の睡眠の4分の3はノンレム睡眠です。ノンレム睡眠の深さは4段階あり、最も眠りが深いステージ4とその次のステージ3の眠りを徐波睡眠と呼びます。眠るとまずこの徐波睡眠に入っていきます。この時はステージ4の深い眠りを40分ほど維持し、その後は短いレム睡眠に移行。次のノンレム睡眠ではステージ4は20分程度しかなく、その分ステージ3のノンレム睡眠やレム睡眠が長くなります。このように人の眠りは寝入りばなが最も深く、睡眠の後半になるとノンレム睡眠は浅く短くなり、レム睡眠が増えてきます。ノンレム睡眠とレム睡眠を一つとしたサイクルはだいたい90分程度で、4〜6回程度繰り返して目覚めていきます。

 

 

睡眠は最初の3時間が大切!

では、この睡眠中にどのようなことが起きているのでしょうか。まず成長ホルモンの分泌が盛んに行われます。成長ホルモンは脳下垂体で作られ、子どもの頃には身長を伸ばすなど主に成長に関与していますが、大人になってからも細胞や組織の新陳代謝に関わる重要なアンチエイジングホルモンの一つです。起きている間に壊れた細胞の修復や疲労回復など、私たちが健康的で美しく暮らすための大切な役割を数多く担っています。成長ホルモンが最も分泌されるのは、入眠してすぐの最初の徐波睡眠の時。以前は午後10時から午前2時頃までの時間帯が成長ホルモン分泌が最も活発になるといわれていましたが、今ではこの考え方は否定的です。より多くの成長ホルモンを分泌させるためには、眠りについてから最初の約3時間の間にどれだけぐっすりと深く眠れるかがポイントになります。「睡眠は最初の3時間が大切」だと言われるのはこのためです。

睡眠以外では、日中の運動によっても成長ホルモンの分泌が刺激されます。運動や肉体労働による体の疲労はストレスとして脳に伝わります。ストレスに反応して様々なホルモンが分泌されますが、成長ホルモンも運動や労働によって傷ついた筋肉や細胞を再生・修復するために活発に分泌されるのです。特に筋肉に強い負荷のかかる筋トレ、いわゆる無酸素運動(特に加圧トレーニング)が効率よく成長ホルモンを分泌させる運動といわれています。

 

 

心地良い眠りのための環境を整える

さて、もう一つ睡眠と密接な関係にあるホルモンがメラトニン。このホルモンは脳の松果体から分泌されるまさに「睡眠ホルモン」として知られています。眠りに導き睡眠の中盤を充実させて睡眠のリズムを形作るホルモンですが、メラトニンそのものに強い抗酸化作用があり、老化に関連した動脈硬化性疾患やがんの発生を抑える働きがあることがわかってきました。これがメラトニンもアンチエイジングホルモンといわれる所以です。メラトニンは夕方以降だんだん暗くなってくると分泌量が増え、午前2時頃にピークを迎えます。メラトニンの分泌量が減少し始めて深部体温が上昇し始める深夜3時頃以降の時間は深い眠りから浅い眠りへと睡眠の質が低下していきます。そのため深夜0時~3時の間に「最初の3時間」を迎えられるように深夜0時までに床に就くことが勧められます。深夜0時~3時は「睡眠のコアタイム」ともいわれています。

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メラトニンの分泌に関係する因子はズバリ「光」。メラトニンは、光を感知すると分泌が減り、暗くなると分泌が増えます。朝、明るくなってくると減って夕方以降暗くなってくると増えるというリズムを持っています。よって、メラトニンの分泌をしっかりと促すには、朝は朝日の光を見てメラトニンをしっかり減らし、夜はなるべく強い光を浴びないように暗くすることが大切なのです。
電気やテレビを点けっぱなしで寝たり、夜遅くまでパソコンやスマホ、テレビゲームをすることが習慣になってしまっている人がいますが、メラトニンの分泌を考えるとよくありません。夕食後はブルーライトの刺激を避け、寝室のあかりは消して暗くして寝る環境を整えましょう。

 

この記事を監修された先生

青木 晃あおき あきら

抗加齢医学専門内科医。日本健康医療学会常任理事。日本抗加齢医学会評議員。日本健康医療学会健康医療認定医。日本抗加齢医学会専門医。メディアでのわかりやすい解説に定評がある。

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