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栄養学
2016.11.24
【Tips】知っておきたい カラダにいい話「にんにくパワーの秘密」
スタミナ食材の代表選手と言えば「にんにく」。そのパワーの秘密が、あの匂いにあることをご存知ですか?
強烈な匂いの原因成分が元気の源
料理の隠し味に欠かせない「にんにく」。スタミナ増強食材としても幅広く親しまれているスーパー野菜です。その反面、独特の匂いのせいで人に会う前には避けたい食べ物の代表でもあります。しかし、その匂いの原因成分こそがにんにくパワーの源なのです。
にんにくはそのままではほとんど匂いはしませんが、刻んだり潰したりすると匂いを発します。これは、にんにく中のアリインという成分が、別の細胞に含まれるアリイナーゼという分解酵素と作用して「アリシン」という硫黄化合物に変化するためです。にんにくの匂いのもとであるアリシンは強い殺菌・抗菌力を持つと言われています。また、にんにくは無臭成分の「スコルジニン」を含んでおり、血液の流れをスムーズにすると言われています。
にんにくのスタミナ効果のメカニズム
にんにくは他の野菜と比べ、とくにビタミンB1を豊富に含んでいます。ビタミンB1は糖質の分解を助けてエネルギーに変えたり、新陳代謝を高めて疲労を回復する重要な役割を持っています。ところが、ビタミンB1は体内に吸収されにくく、大部分が尿で排泄されてしまいます。にんにくのアリシンとスコルジニンは、ビタミンB1と結合しやすい性質を持っています。するとビタミンB1の体内吸収率が向上し、疲労回復効果が高まるのです。それが、にんにくがスタミナ増強食材と考えられている秘密だったのです。
古くから食されていた「にんにく」
源氏物語「桐壷」に続く、第二帖「帯木(ははきぎ)」の巻で籐式部の丞が女性を訪ねた際、「極暑の薬草を用いて臭いので会えませんが、ご用は承ります」と言われて「ささがにのふるまひしるき夕暮れにひるま過ぐせと言うがあやなさ」と詠んだところ、女性は「逢うことの夜をし隔てぬ仲ならばひるまも何かまばゆらかまし」と返しました。「ひる」が昼と蒜(ひる)の掛け言葉で、「極暑の薬草」が蒜(=にんにく)と判ります。
ピラミッド建築の労働者に「にんにく」が与えられた
エジプト王が眠ると言われるピラミッド。紀元前2900年頃に建てられた世界最大級のクフ王のピラミッド内部に、労働者達が重労働に耐えるために食べていたと思われるにんにくの総量が記されていたそうです。