Health
パーツ別お悩み
2020.10.13
【特集】ひざの痛みと予防&ケア
健康なひざを保てばQOLも延ばせる!
ひざは生活活動のすべてにおいて基本になる大切な部位。、ひざの痛みは、要介護状態になるすべてのスタート地点と言えます。ひざが痛いと、運動ができず、肥満などの生活習慣病にかかるリスクもアップ。日本の要介護状態の原因は「高血圧性疾患」「関節症」「骨密度および構造の障害」などが挙げられますが、ひざの痛みは、そのすべてに遠からずつながっているのです。
また、ひざは「消耗品」であることも覚えておきましょう。ひざの代表的な痛みには、「変形性ひざ関節症」という疾患が関係しています。これはクッションの役割を果たしている軟骨がすり減り、むき出しになった骨同士がぶつかりあうことで痛みを生じる症状。時間とともに進行し、末期状態では自立して歩くことが困難になることもあります。
ひざが痛いと、運動ができず、肥満などの生活習慣病にかかるリスクもアップ!
ひざへの痛みを感じている方は病院へ
健康なひざをキープするためには「予防」と「ケア」の2つの考え方があります。「今、痛みを感じていない人」がやるべきことが「予防」。ひざは消耗品なので、すべての人が変形性ひざ関節症になる可能性がありますが、一方で100歳でも元気に歩いている方もいます。しかし、ひざに痛みを感じ始めたら、あとは悪化への一方通行という可能性もあります。その場合は、整形外科の医師に相談することが最善策です。病院ではひざの治療はもちろんのこと、一人でもできる運動療法も教えてもらえます。たとえば、筋力不足が原因の方には「脚上げ体操」、O脚・X脚が原因の場合には「各種ストレッチ」、痛みが強い場合は浴槽での「可動域訓練」などもあります。予防とケアを続けることで、症状の進行を遅らせ、痛みを和らげることにつながります。
変形性ひざ関節症になりやすい人の特徴
変形性ひざ関節症は関節のクッションとなる軟骨がすり減り、歩行時・立ち座りの際に痛みが起こること。症状が進むと歩けないほどの痛みを伴います。症状を発症・加速させる原因はこんなところにもあります。
・ケガや損傷
ケガによって関節が不安定になり軟骨への負担が増える
・肥満
過度な体重増加によりひざへの負担が重くなる
・X脚/O脚
ひざの内側、外側に荷重が偏り部分的に軟骨が摩耗する
→変形性ひざ関節症は女性が多い
40歳以上の方を対象に調査した結果では加齢とともに患者数が増え、女性に多いことがわかっています。
吉村典子:ロコモティブシンドロームとメタボリックシンドローム
大規模コホート研究ROADプロジェクトより Medical Asahi 2009 Marchより
痛みのない人は、10年後20年後も健脚をめざして予防
ひざに負担がかかりにくい適正体重はBMI25以下
BMIとは肥満を判定する国際基準。18.5〜24.9の間が適正な数値と言われています。
・ダイエット
贅肉が気になりだしたら、少し体をしぼって。ひざへの負担が軽減できます。
・ウォーキングジョギング
適度なウォーキングやジョギングが、脚の筋力を高めるので、健脚づくりに効果的。ただし、急激な運動は逆にひざへの負担が大きいので少しずつ慣らすことが必要です。
ひざに痛みを感じている人はケア
・O脚矯正ストレッチ
足の下にタオルを敷き指でたぐり寄せます。O脚が原因のひざ痛の場合におすすめです。
・X脚矯正ストレッチ
太ももの上に片脚を乗せ、乗せた方の脚を痛くない程度に体重をかけます。
・脚上げ体操
ふとももの前の筋肉を鍛えることで症状の悪化と痛みの抑制につながります。痛みが強い場合は無理をしないようにしましょう。椅子に座っても寝転んでもどちらでもOK !
・水中ウォーキング
痛みや体力的な理由でウォーキングが難しい方はプールでのウォーキングがおすすめ。全身運動になるので、ダイエットにもなります。
・可動域訓練
湯船の中でひざを曲げ伸ばしします。ひざがあたためられることで痛みが緩和され、可動域が広がります。
監修:洗足整形・形成外科 院長 伊藤大助先生