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パーツ別お悩み
2016.11.24
特集:変形性腰椎症と血行不良
変形性腰椎症による腰痛
人類が2本の足で立ち、歩き始めて以来、人間と腰椎とは切っても切れない関係です。4本足で体重を支える動物とは違い、上半身の体重が垂直方向kにかかるため、腰の骨や筋肉への負担が大きいのです。
しかし、腰痛と言っても、急性のギックリ腰や慢性的な痛み、さらにはレントゲンでも異常が見られないもの、背骨やその周辺の筋肉が原因となるもの、内臓疾患や精神的ストレスなどと、その原因は様々です。
高齢者が腰痛を訴えるときは、加齢によって背骨に異常がある場合が多いようです。よく見られるのが変形性腰椎症です。
背骨は椎骨という三十個のブロックでできています。そのうち、腰にある5つが腰椎です。椎骨間には軟骨と繊維でできたゼリー状の椎間板がクッションの役目をしています。
ところがこの椎間板は加齢と共に水分が減少し、弾力性を失います。すると、椎骨の縁部分が変形し、椎間板のある隙間が狭くなります。また椎骨増殖し、棘状のものをつくって神経を圧迫します。それにより腰がだるい、重い、しびれる、痛むといった症状が起ってきます。
血行不良による腰痛
腰痛は血行不良によっても起ります。血行不良は筋肉の緊張(=コリ)や、体の冷えが主な原因です。
筋肉は緊張が続くと固くなり、筋肉内の血管を圧迫して血行不良が起ります。するとその部分に乳酸などの疲労物質が発生します。蓄積した乳酸は知覚神経を刺激して痛みが起こり、その痛みが筋肉をさらに固くするという悪循環が発生します。また、筋肉の収縮や弛緩、血管の収縮や拡張は自律神経によってコントロールされています。体が冷えると、自律神経のうち交感神経が活発になって、筋肉や血管を収縮させて体温が下がらないように働きます。すると血液の流れが悪くなり、コリや痛みが発生します。
その他にも血行不良が起きる原因として、姿勢、運動不足、精神的ストレス、目の疲れ、体型などがあります。上半身の重みを支えている腰は常に緊張状態です。腰痛には日頃の生活習慣が原因の場合が多いですか、ときどき動かしたり、同じ姿勢を続けないなど負荷をかけないようにする工夫が必要です。
変形性腰椎症の対策
変形性腰椎症は、朝起きたときに最も症状が強く、体を起こしていれば徐々に痛みは和らぎます。また、ちょっとしたことでギックリ腰を起こしやすくなる傾向があるため、日常の中の動作に気を配ることも大切です。
治療法は、腰痛が強い場合はまず安静にして消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などを使用します。神経の通っているところに麻酔薬を直接投与する神経ブロックも効果的です。また、腰を冷やすと痛みが増す傾向があるため、炎症が始まったら温熱療法などを取り入れると良いでしょう。
血行不良の対策
血行不良からくる腰痛に冷えは大敵です。この場合ゆっくり入力して体を温めることが効果的です。全身の筋肉の緊張をほぐし、血液の循環を良くし、新陳代謝を高めます。少しぬるめのお湯に15〜30分程つかります。胸から下の半身浴の場合は方にタオルをかえておけば上半身の冷えを防げます。また、寒い場所で長時間過ごすときは、膝かけや使い捨てカイロなどを利用して、体が冷えないように注意しましょう。
日常生活の腰痛予防法
腰痛の予防には日常の姿勢を見直すことが一番大切です。立ち方や座り方にも腰に負担をかけない正しい姿勢があります。長い時間立っているときは、ちょっとした段差などに片足を置いておけば、腰の筋肉がゆるみ、腰痛予防になります。座るときは背筋を伸ばし、椅子に少し深く腰かえるようにしましょう。
毎日の家事も、腰に負担がかかる仕事が多いものです。合間に適度な休憩やストレッチを入れるなど工夫をしましょう。
また、変形性腰椎症を和らげるだめには、安静にしているだけではいけません。体を動かさないでいると筋肉が萎縮し、かえって痛みが出てしまうからです。強い痛みが治まったら、できるだけ普通の日常生活を送るように心がけると同時に、軽い体操やストレッチなどで腹筋や背筋といった腰の周囲の筋肉を鍛えましょう。ただし、変形性腰椎症の場合、体を後ろに反らすような動作は症状を悪化させます。家庭で運動を行うにあたっては、まず医師に相談してアドバイスを受けてください。
単なる腰痛ではないことも・・・
腰が痛んでも単なる腰痛とは断定できません。内臓の病気を原因とする腰痛もありますので、次のような場合は注意が必要です。
・突然の激痛
・どんどん痛くなってくる
・一週間以上、腰痛がとれない
・股や足の先にしびれを感じる
・血尿や血便がみられる
・腰痛だけでなく、高熱を伴う
これらのような症状が出た場合には、すぐに医療機関で受診してください。