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姿勢
2019.05.21
【特集】背骨リセットで不調改善チャレンジ!

腰が曲がった人と、まっすぐに立っている人。同じ人でも、姿勢が違うだけで大きく印象が変わります。しかも、変わるのは見た目だけではありません。背骨の状態が悪くなると、腰痛、肩こりはもちろん、内臓の不調やメンタルの低下につながることもあります。体を支える大黒柱でもある背骨。その役割を知り、良い姿勢を保つ方法を考えていきましょう。
背骨の名称と役割は?
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背骨の中でもっとも可動範囲が広い | |
回旋、前後左右に動かせるのが頚椎の特徴。自由に動かして、頭の位置を適切にサポートします。 |
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肋骨と連結し、胸骨を形成 | |
肋骨と連結し、肺を守り、呼吸をサポートします。胸椎は前後左右にほとんど動くことはありません。 |
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上半身の動きの大部分を担う | |
重い上半身を支えながら、柔軟な動きも求められるため、周囲の筋肉や関節とのスムーズな連携が必須とされます。 |
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骨盤の一部、背骨のバランサー | |
背骨の底で、腰椎にかかる体重をバランス良く分散させます。 |
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背骨の先にある、しっぽのなごり | |
背骨の下方のもっとも先にあり、脳に向かって脳脊髄液を押し出すポンプの役割もあります。 |
写真で確認ゆがみ度チェック!
壁にかかと、お尻、肩甲骨をつけて立ちます。このときに後頭部が壁に自然につかない人は、頚椎が前に傾いている可能性があります。
壁の前に立ち、左右に体を倒します。左右の差が大きい場合は背骨が左右にゆがんでいることも。
背骨の場所によって起こりやすい不調とは?
なぜ、良い姿勢は大切なのでしょう?
姿勢を良くする。それが良いことだとわかってはいるものの、具体的に健康にどう影響するかとなれば、きちんと答えられる人は少ないかもしれません。
まず、姿勢が良くなると何が変わるか、それは見た目の印象です。同じ背格好の人でも、随分と年齢が違って見えるもの。見た目が若々しく、快活に見えるだけで、周囲も「この人と話をすると楽しそう」とコミュニケーションが取りやすくなります。逆に、背骨が曲がり、必然的にうつむきがちの姿勢だと、人と目線を合わせにくくなり、周囲も話しかけづらくなります。人間関係のあり方はそれぞれですので、一概に何が良いというわけではありませんが、メンタルと姿勢は切り離せない関係があります。
また、健康にも影響があります。背骨がゆがむと前かがみになったり、左右にゆがみが出たりしますが、そこで現れる不調は腰痛や肩こりだけではありません。内臓の位置にも影響があり、内臓が圧迫されると本来の働きができなくなり、消化や排泄などにも影響が出やすくなります。さらに前かがみのポーズを取ってもらうとわかりやすいのですが、深い呼吸ができなくなります。日常的に呼吸が浅くなると、疲れやすい、頭痛が頻繁に起こる、風邪をひきやすいなどのわかりやすい不調から、集中力がなくなったり、イライラしたり、精神的なものまでいろいろな影響が現れます。
姿勢の悪さは、まさに百害あって一利なし。しかし姿勢を良くすればメリットは多彩です。そのためには背骨をしっかりケアすることが大切なポイントになります。
自律神経を整える効果もあり!
背骨ツボ押しMAP
①肺兪(はいゆ)
咳や喘息など、呼吸器のトラブル解消に効果が期待できる。ツボ押しのほか、あたためでも良い。
②心兪(しんゆ)
イライラや不安など精神的な緊張を和らげ、ストレスによる不調を緩和。高血圧などが気になる人にもおすすめ。
③膈兪(かくゆ)
背中がこわばった状態で、食欲がなく、ゲップが出やすい状態を緩和する。胃痛、胃炎などの緩和にも有効とされる。
④肝兪(かんゆ)
疲れの解消や二日酔いなど肝機能の働きを回復し、気力と体力を回復する効果が期待できる。
⑤脾兪(ひゆ)
胃腸の働きを助け、食欲不振を解消。便秘や下痢の解消にも良いとされる。
⑥胃兪(いゆ)
胃の調子を整える働きがあり、栄養の消化を助ける。食 欲不振や過食にも有効とされる。
⑦腎兪(じんゆ)
膀胱や前立腺の疾患に良い。月経や冷えなどの悩みにも有効とされる。
⑧大腸兪(だいちょうゆ)
下痢、便秘など、お通じの悩みに良いとされる。腰痛や坐骨の痛みにも。
⑨小腸兪(しょうちょうゆ)
便秘、月経不順など疾患に。リウマチの特効穴とも言われている。
A=交感神経系
背骨を伝う交感神経。血糖値や血圧を上げ、心臓の活動を高めることで、体を活性化します。
B=副交感神経系
頚椎の上部と骨盤部に集中する副交感神経は、休養と消化・吸収の神経と言われています。特に頚椎のズレは、自律神経失調症につながりやすくなります。
その習慣NGです!
日常生活で背骨の老化を防ぐ
眠る時枕が高い
高い枕が好きという人もいますが、実は背骨にはNG。背骨の自然なカーブに合うよう枕を選ぶのが正解。
かばんを片側ばかりで持つ
かばんや荷物をいつも同じ側で持つと、片側だけに負担がかかりアンバランスに。こまめに持ち変えることが大切。
中腰で物を持つ
背中の力だけで荷物をあげる中腰は腰椎への負担大。しゃがんで腰で持つのが◎。
同じ脚ばかりで組む
同じ脚ばかりで組む人は、骨盤がゆがんでいる可能性大。骨盤のゆがみは、そのまま背骨の負担増に直結します。
誰でも簡単!
背骨リセットストレッチ
監修:済生会横浜市東部病院(整形外科) 船山 敦先生
この記事を監修された先生

TV番組等で、一般視聴者にも医学用語をわかりやすく解説し好評を得ている。慶應義塾大学医学部卒。日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本体育協会スポーツドクター認定医。専門は、股関節外科、膝関節外科、人工関節手術。