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2019.04.02
【特集】骨盤を見直してカラダ革命を起こそう!
私たちの体は無意識のうちにゆがみを生じてしまうことがあります。
骨盤のゆがみも同様で、体の土台でもある骨盤がゆがんでしまうことでさまざまな悪影響が出やすくなります。
今回は骨盤を見直すことで、不調を予防・改善する方法を探っていきましょう。
自分の骨盤の位置はどこ?
骨盤がゆがむと体調や体型の変化が出やすくなります
骨盤がゆがむと体にさまざまな影響が
骨盤とは上半身と下半身をつなぐ重要な役割のある骨の集合体です。体の「土台」とも言える骨盤は、本来どっしりとして安定感のあるものですが、日常生活や姿勢の癖などで、前後左右にゆがみが生じたり、女性の場合は妊娠・出産などを経験することで左右に開いてしまうことがあります。人間の体はとてもデリケートであるため、骨盤本来の形がゆがんだり、ポジションからずれてしまうと、まっすぐに支えていた背骨がグラグラと安定しなくなり背筋痛や腰痛の原因になることもあります。また、これは出産後の女性に多い傾向ですが、骨盤が開くことで内臓が下垂しやすくなります。下に押しつぶされるような形で収まった内臓は他の内臓の重みで圧迫されてしまい、十分に機能しなくなってしまいます。これによって下半身のめぐりが悪くなり、むくみや冷え、下半身太り、ぽっこりお腹などにも連鎖的につながっていきます。骨盤のゆがみは、さまざまな不調のきっかけになることを覚えておきましょう。
骨盤矯正という言葉をお聞きになったことがあるかもしれませんが、ゆがんだ骨盤は元の状態へと整えることができます。整体やヨガなどさまざまな方法がありますが、まず大切なのはこれ以上ゆがませないということ。妊娠・出産によって骨盤が開いてしまうケースは別として、そのほかは日常生活や姿勢の癖によるものがほとんどです。脚を組んだり、ハイヒールを履くなど、 ゆがみを招きやすい習慣を見直した上で、骨盤をキュッと引き締め、正しい位置にキープする生活を心がけましょう。
そもそも骨盤の役割って?
骨盤を何かに例える時に分かりやすいのが家。家は「基礎」の上に建ち、より安定感を増すために地中に杭が刺し込まれた構造となっています。基礎が中心となってつくられているため、少しでもゆがむと全体のバランスが崩れ、直接関係のないところにまで影響を及ぼします。人間の体で基礎となる部分は骨盤です。背骨を支え、下半身からくる衝撃も受け止める働きを持っています。つまり、骨盤は全身の安定した姿勢を保つ役割があり、ゆがんでしまうと体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
骨盤のゆがみは日々の習慣が原因?
骨盤のゆがみとは、骨自体が曲がったり変形するわけではなく、本来の正しい位置に収まらなくなった状態のことを言います。ゆがみといってもさまざまなタイプがありますので原因とともにご紹介します。
習慣でついたゆがみは習慣で治す!
<寝る時>
4点を意識して寝てみよう!
仰向けで寝ているときの理想的な寝姿勢は、姿勢良く立っているときと同じ状態が理想と言われています。頭、背中、お尻、かかとの4点が付いているかを確かめてみましょう。
<歩く時>
足首を柔らかく!
歩くときに足首が柔らかければ、かかとからお尻までの部位がスムーズに連動します。特に大臀筋が鍛えられることで、骨盤は正しい位置に整い、結果として姿勢も整う好循環が生まれます。
<座る時>
坐骨で座る
デスクワーク中心の方は、座り方を意識して。ポイントとなるのは坐骨です。椅子に座ったときに坐骨を立てて座ることで、骨盤が開きにくく、慣れてくると一番楽な座り姿勢として定着します。
骨盤にはバイオリズムがある
骨盤は常に同じ状態にあるわけではありません。日、月、年(季節)によって開閉する周期があり、その時々によって体の状態も変わっていきます。一般に骨盤が締まっているときはやる気に満ちて活動に適しており、緩んでいるときは体内に老廃物がたまりやすく体調不良を招きやすいと言われています。骨盤を起因とする好不調の波を把握しておくことで、日々の体調管理にも役立ちます。
バイオリズムを意識した朝・昼・晩のストレッチ
朝は布団の中でもぞもぞしながら甘やかしストレッチ
1.仰向けに寝て息を吸いながら片脚の股関節と膝を90度程度に曲げる。
2.曲げた脚をそのままの状態で起こし、もう片方の脚側(内側)に倒して、腰がねじれていることを意識する。このとき息は吐く。
3.息を吐ききったら元に戻し、反対の脚も同様に行う。この動作を5セット行う。
→骨盤の可動域を広げ、1日の出だしをスムーズに!
外出中はこっそりストレッチ
1.息を吐きながら背中を丸める。このとき骨盤が後傾になっていることを意識する。
2.今度は息を吸いながら胸を張り、腰をそらせる。骨盤が前傾になっていることをイメージする。
3.この動作を5セット繰り返す。
→同じ姿勢で固まった骨盤周辺の筋肉をほぐしてすっきり!
夜はお風呂上がりにちょっと入念ストレッチ
1.仰向けに寝て膝を立てた状態をつくり、息を吸いながらお尻をあげる。
2.5秒間キープののち、お尻を床にゆっくりと落とす。
3.脚をまっすぐにのばしてリラックスする。
4.息を吐きながら片脚を両手で抱える。太ももとお腹がくっつくようなイメージで行う。脚を元に戻したら、片方の脚も同様に行う。この動作を5セット繰り返す。
→1日の疲れを癒しながら骨盤を効果的に引き締める!
監修:済生会横浜市東部病院(整形外科) 船山 敦先生
この記事を監修された先生
TV番組等で、一般視聴者にも医学用語をわかりやすく解説し好評を得ている。慶應義塾大学医学部卒。日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本体育協会スポーツドクター認定医。専門は、股関節外科、膝関節外科、人工関節手術。