逆流性食道炎―その胸やけ、逆流性食道炎ではありませんか?

食事のあと、胸やけや胃もたれがひどかったり、胸がつかえる感じが続く。そんな症状のある人は、単なる胸やけではなく、逆流性食道炎という病気かもしれません。とくに高齢の方や女性に多いことが知られています。

 

ご存知ですか?逆流性食道炎という病気

 逆流性食道炎とは、胃で分泌された胃酸や食物が食道に逆流して、食道の粘膜を傷つけて起こる炎症です。食道のただれや潰瘍を伴うこともあり、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が現れます。
 もともと欧米人に多い病気でしたが、最近は食の欧米化や肥満、ストレスなど現代日本の健康問題とともに悩む方が急増しており、高齢の方や女性に多い病気です。
 この病気は腹筋を鍛えている人にも多く見られ、腹式呼吸をする歌手などに症例が多いことから、歌手病と呼ばれることもあります。
食道が逆流を防ぐ仕組み

 

逆流性食道炎の症状

 胸やけ、呑酸(どんさん)、嚥下(えんげ)障害が逆流性食道炎の三大症状です。胸やけは、主に食後に起こります。胃液や胃の内容物が食道に逆流して、胸のあたりに焼けるような不快感が現れます。呑酸は、苦い、または酸っぱい液体(胃酸)が口にまで上がってくる状態です。ゲップが出たり、ひどいときは戻してしまう場合もあります。嚥下障害は、喉がつまって食物を飲み込めない症状です。逆流した胃液で炎症が起こり、喉に違和感や痛みを感じることがあります。
 逆流性食道炎は他にも意外な症状を引き起こします。逆流した胃酸が喉や気管支を刺激すると、激しい咳や喘息が出ます。食道の粘膜を通して胃酸が神経を刺激すると、胸が締めつけられるような痛みを感じます。

 

胃酸が逆流する原因

 逆流性食道炎の原因となる胃酸の逆流は、食生活、肥満、加齢、体型などによって、胃酸が増えすぎたり、食道を逆流から守る働きが弱まることで発生します。まず挙げられるのが胃酸の過剰分泌です。食生活の欧米化によって肉や脂っこい食事が多くなり、食事の量も増えてきました。このような食生活では胃の活動が活発になりすぎるため、胃酸の過剰分泌を招きます。
 脂っこい食事の後で分泌されるホルモンの作用や、大量の食物で胃が拡張されることで、食道を締めつけている下部食道括約筋が緩んでしまい逆流が起こります。また、加齢による下部食道括約筋の働きの低下や、食道のぜん動運動、胃液を中和させる役目を持つ唾液の分泌量の減少など、胃酸の逆流を防ぐことが難しくなってきます。
 他にも、ベルトの締めつけや肥満などで腹部を圧迫したり、しゃがんだり、重い物を持って力むことで胃が圧迫されて腹圧が上昇すると、胃酸の逆流が起こります。

 

日常生活での注意点

 胃酸の逆流を防ぐには、食生活、姿勢、腹圧がポイントです。日常生活で無理のない食生活や姿勢を心がけましょう。
 食事は一度に食べ過ぎず、規則正しく一日三回、ゆっくり食べるのが基本です。過食や飲み過ぎは腹圧を高めるのでよくありません。脂肪の多い食事は胃もたれ、胃酸の逆流を起こします。刺激の強い食べ物も控えましょう。強い香辛料、柑橘類、チョコレートやケーキ等の甘い物、炭酸飲料、コーヒーなどは胸やけを起こしやすい食品です。肥満や便秘にも要注意です。
 また、アルコールは噴門を緩めます。とくに、ビールやシャンパンは炭酸ガスを発生して胃を膨張させるのでよくありません。タバコは唾液の分泌を減らしますので禁煙しましょう。
 普段の姿勢にも気をつけましょう。腰を曲げた状態や前かがみなど、胃を圧迫する無理な姿勢を続けないようにします。床につくと胸やけする場合は、就寝直前の飲食を避けます。就寝時は枕や座布団を重ね、上体を高くして眠るようにします。食後もすぐ横にならず、しばらく座って過ごしましょう。以上のような生活習慣の改善は、生活習慣病の予防にもつながりますので、積極的にとり入れてみてはいかがでしょうか。
 逆流性食道炎は治療が必要な病気です。食道がんなどの合併症の予防にもつながりますので、気になったら早めに病院で検査を受けましょう。現在は効果的な治療薬がありますので、ほとんどの場合、投薬で治療できます。また、胸やけなどの症状は、別の病気でも起こります。医師の診断を受けることで、他の病気がないかを確認することも大切です。
気をつけたいポイント