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栄養学
2016.11.24
深海鮫の生命力の源「スクアレン」
驚異の生命力を持つ深海鮫
深海鮫は今から4億年も前から生き延びてきた原始的な生物で、生物学上きわめて興味深い魚類です。一般的にサメというと、映画「ジョーズ」の人喰いザメや漁場を荒らす嫌われ者というイメージを持っている場合が多いようですが、このようなサメとは別に、俗に「深海鮫」と呼ばれる一群がいます。太陽光線が届かない水深400〜1000mもの深海で生きるサメの仲間達です。
深海鮫が生息するのは、大きな水圧のかかる、暗く、冷たく、十分なエサもなく、非常に酸素濃度が薄い、とても厳しい環境です。このような過酷な深海で、深海鮫は逞しく生き延びてきたのです。
深海鮫の元気の秘密「スクアレン」
過酷な環境に生きる深海鮫の平均寿命は60年以上ともいわれています。
そんな深海鮫の驚異の生命力のカギが、深海鮫が持っている巨大な肝臓にあると考えられています。深海鮫の肝臓からとれる肝油には、スクアレンという成分が大量に含まれています。このスクアレンを大量に保有することによって、わずかな酸素をすみずみまで運び、大きな水圧や酸素濃度の薄い深海という過酷な環境でも生命を維持することができると考えられているのです。
深海鮫の生命力の源ともいえるスクアレンは、毎日をいきいきと元気に過ごすために役立つ成分として注目を集めています。
深海鮫の巨大な肝臓
深海では酸素の確保が生命の維持に直結しています。深海鮫は、体重に対して17〜27%を占めるほどの大きな肝臓を持っています。この肝臓には80%以上の肝油が含まれており、肝油には大量のスクアレンが含まれています。