[ミニ特集] 肩こりのメカニズム

平成十九年度の国民生活基礎調査によれば、女性では自覚症状の第一位、男性では第二位が肩こりでした。肩こりを訴える人は年々増え続け、低年齢化も進んでいます。そこで今回は、日本の国民病とも言われる肩こりのメカニズムを紹介します。

 

肩こりとは

 肩こりとは、簡単に言えば、頭と首の骨を支えている肩周辺の筋肉が、疲労して硬く緊張している状態です。首から肩や腕にかけて「重い」「だるい」「痛い」「はる」等の感覚が起こります。これらを総称して肩こりと呼んでいます。
 首から肩にかけて、大小様々な筋肉があります。頭を支えるために、首や肩の筋肉は休むことなく働いています。筋肉が活動するには酸素と栄養が必要です。筋肉の血管に酸素を届けるためには、十分な血液が必要です。通常、筋肉は緊張と弛緩を繰り返しながら、筋肉自体をポンプのように働かせて血行を促進しています。筋肉が動いている時には血液が勢い良く流れていますが、筋肉の緊張状態が続くと血行が悪くなり、円滑に血液が流れなくなります。血液が不足すると筋肉は酸欠状態になり、乳酸などの老廃物がたまります。それが刺激となって、筋肉の細胞から発痛物質が発生し、神経を刺激して、こりや痛みが生じます。これが肩こりのメカニズムです。

 

肩こりの原因の多くは生活習慣やストレスです。

 肩こりを引き起こす筋肉の血行不良には様々な原因が考えられます。特に多い原因としては、姿勢、冷え、目の酷使、ストレスなどがあげられます。
 無理な姿勢や同じ姿勢を長時間続けていると筋肉が緊張し、血液の循環が悪くなります。日頃から猫背などの悪い姿勢でいると、首筋から肩や腕にかけての筋肉が緊張して血行不良を引き起こします。また、体を冷やすと熱を逃がさないようにするために自律神経が働き、血管を収縮させて血液の循環を悪くします。
 長時間のパソコン作業やメガネ、コンタクトの度数が合わないと目が疲れてしまい、その情報が交感神経へ伝わります。また、精神的な緊張や悩みを抱えているときも、ストレス情報は交感神経に伝達されます。すると、交感神経が興奮状態となって血管を収縮させるため、血行が悪くなります。
 それ以外にも、頚椎ヘルニアなど骨に異常がある場合、打撲や過度な運動による筋肉の炎症。または、狭心症や心筋梗塞、糖尿病や高血圧など内臓の病気や、顎関節症、噛み合せ不全、歯周病など歯の病気。他にも、肥満・やせ過ぎ・なで肩等の体型も肩こりの原因と考えられています。ただし、肩こりと同時にめまい・耳鳴り・胸部痛・背部痛・動悸など別の症状が出たときには、違う病気が隠れていることがありますので、医療機関に相談してください。
【肩こり原因チェック】姿勢が悪い、冷え性だ、なで肩だ、運動不足だ、ストレスが多い、今の枕が合っていない、筋肉量が少ない、目が疲れやすい、生真面目な性格だ、歯の噛み合せが悪い、食生活が不規則だ、パソコン作業など、同じ姿勢が続くことが多い

 

肩こり解消には血行の改善が大切です。

 肩こりを解消するには、まず、日頃から正しい姿勢を心がけることが大切です。正しい姿勢を維持することで、血流が改善して肩こりが軽減します。そして筋肉の緊張を緩め、血行を改善することも大切です。ストレッチなどの運動を行うことで、新陳代謝がよくなり血行が促されます。ツボやマッサージも筋肉の緊張をほぐす効果があります。
【簡単肩こり解消法】(1)長時間、前かがみの悪い姿勢をとらない。定期的に休憩して背筋を伸ばしましょう。(2)お風呂やマッサージでリラックスする。38〜40度のお湯にゆっくり浸かる。こっている部位にシャワーを当てるのもよいでしょう。(3)断続的に適度な運動をする。運動で筋力が増し、代謝と血流改善を促します。(4)適度なストレッチを行う。ゆっくり首を回したり、肩を上げ下げするだけでも血行が改善されます。(首、肩の体操)【首の体操】首と肩の筋肉をほぐします。無理せず、はずみをつけず、ゆっくりと、5〜10秒ぐらいかけて、数回くりかえします。(1)前後に曲げる。(2)左右に曲げる。(3)左右に向ける【肩の体操】肩の関節をほぐします。ゆっくりとした動作で、10〜20回くりかえします。(1)両腕を前方に振る。※これは5分ほど続けます。(2)肘を曲げて肩を回す、肘で大きく円を描く。(3)両肩を上げてストンと落とす。(4)片方ずつ上げる。右上げ左下げ。左上げ右下げ。