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2016.11.24

特集:肥満と病気 太りすぎは万病のもと。

【Q:「太りすぎは健康によくない」と妻に言われますが、本当に肥満が病気を引き起こすのでしょうか?】【A:「肥満の一番の問題点は高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の基盤になることです。日本人の死因2位と3位である心臓病や脳卒中は、多くがこれらの生活習慣病から発症します。】

 

肥満とは?

 肥満とは、単に体重の多い少ないだけでなく、体脂肪量が必要以上に蓄積している状態を言います。肥満が問題視される理由は、生活習慣病をはじめ、さまざまな疾患の危険因子となるからです。日本人の死因の2位と3位は心臓病と脳卒中ですが、多くが生活習慣病から発症します。
 現代の日本人は肥満者の割合が急増しています。厚生労働省の調査では、男性は30歳代から60歳代の30%以上、70歳代以上でも20%以上が、女性が60歳代で30%、70歳代以上で28%が肥満者となっています。

 

簡単な肥満判定法

 肥満の判定指標としては「BMI(ボディマスインデックス)」と「体脂肪率」がよく用いられます。
 日本肥満学会の基準によると、表のように定められています。そしてBMIが22の状態を理想体重と呼んでいます。統計的に病気になる確率が最も低く、最も健康的に生活できる理想的な体重と考えられています。
 ところが、BMIは身長と体重から単純計算した目安で、性別や体格差を反映していません。そこで、もうひとつの判定指標として体重に占める体脂肪の比率を計測する「体脂肪率」が注目されました。
 適正な体脂肪率は、男性で15〜19%、女性は20〜25%、これを下回ると低脂肪、上回れば肥満です。体脂肪率を用いると、脂肪過多なのか、筋肉質なのかも分かります。また、体重が正常でも脂肪比率の多い、「かくれ肥満」の発見にもつながります。
 しかし、体脂肪率は低ければ良いというものではありません。体脂肪はエネルギー源であり、臓器を包んで保護するなど、生きていく上で重要な働きをしています。体脂肪率が低すぎると、体温低下や筋力低下(脂肪の代わりに筋肉を分解してエネルギーにしてしまう)を招くことがあります。女性の場合はホルモンバランスに異常をきたすこともあります。
BMI表とBMI計算法
BMI計算早見表
体脂肪率の基準

 

「内臓脂肪型肥満」とメタボリック・シンドローム

 体脂肪は、貯えられる場所で2つに分類できます。ひとつは皮膚のすぐ下にある皮下脂肪です。もうひとつは内臓の周りに貯えられる脂肪で、内臓脂肪と呼びます。これらはエネルギーを蓄積する働きは同じですが、蓄積の仕方が異なります。内臓脂肪はひとつひとつの細胞内に脂肪を貯め込みます。これに対して皮下脂肪は、細胞内に脂肪を貯め込む力は低いのですが、細胞の数が増えやすいことが特徴です。つまり、皮下脂肪型肥満は細胞の数が増え、内臓脂肪型肥満はひとつひとつの細胞が太ります。そのため、皮下脂肪型肥満は脂肪はつきにくいが減りにくく、内臓脂肪型肥満は脂肪がつきやすいが減りやすいのです。
 肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、それぞれ独立した別の病気ではなく、内臓脂肪型肥満が原因であることが判ってきました。最近注目のメタボリックシンドロームは、まさに生活習慣病の予備軍です。メタボリックシンドロームの人は、動脈硬化の危険因子である内臓脂肪型肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症を重複して発症しているケースが多く、動脈硬化のリスクが非常に高いことが分かっています。つまり、メタボリックシンドロームを放置しておくと、いずれは動脈硬化へと進展する可能性が高いのです。
動脈硬化による循環器病(心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など)は生命に関わる重大な病気であり、後遺症も深刻です。しかも症状は出にくく、前触れなしに突然発症します。動脈硬化を引き起こさないためにも、早期に内臓脂肪型肥満に対処することが必要です。
 内臓脂肪型肥満の目安はウエスト径を測って判定できます。この場合のウエスト径は「おへそのまわり」で、ウエストの一番細い部分ではありません。
 男性は85cm以上、女性は90cm以上を基準値とします。これを超えると内臓脂肪型肥満の疑いがあるため、腹部CTスキャンで内臓脂肪面積を測定します。この基準値は腹部CTスキャンで測定した場合の断面積100cmに相当します。
内脂肪と皮下脂肪の細胞

 

肥満防止のために生活習慣を見直しましょう。

●「食事」による対処法

 肥満は「食べ過ぎ」と「運動不足」という2つの生活習慣が原因です。食事で摂ったエネルギーは生命維持や体を動かすことで消費されます。ところが消費されるエネルギーよりも摂取するエネルギーが多ければ、余った分が脂肪として貯蓄されます。それが積み重なることで肥満になります。
 太らない食生活は、朝昼晩と1日3回規則正しく食べる、栄養バランスを整える、ゆっくりとよく噛んで食べる、腹八分目で抑えることが基本です。
 朝、起きたときには体温も低く、意識もぼんやりとしています。朝食は脳の活動に必要なブドウ糖を補給して、脳の働きを助けます。同時に熱産生も高まるので、体を内側から温めて1日のやる気をもたらします。朝食から5時間もすれば午前中の活動でエネルギーは消費されています。昼食でエネルギーや栄養素を補給することで、体が円滑な活動を再開できるのです。さらに、夕食は1日の活動で消耗した体力を補い、脳の疲労を回復させ、質の良い睡眠をもたらす効果があります。
 肥満対策として、意外に知られていないのが、食事をゆっくり噛んで食べることです。ゆっくり噛んで食べると脳の満腹中枢に情報が伝わり、食欲が抑えられて食べ過ぎを防ぎます。また、食事をしっかり唾液と混ぜることは胃腸の働きを活発にしますので、消化吸収が楽になります。
 他にもよく噛むことには多くの利点があります。素材の味や歯ごたえがよくわかりますし、硬いものでも噛みしめると旨みが出てきます。また、唾液の分泌が促進されて、虫歯予防にもつながります。よく噛むことで顎と顔の筋肉を動かし、表情も豊かになります。
 ゆっくり噛んで食べるコツは、一口食べたら口の中の食べ物が無くなってから、次の一口入れることです。また、噛む回数を意識しながら一口ごとに味わい、一口ごとに箸を置く、ということも試してはいかがでしょうか。
肥満にならない「食生活」のヒントと噛む回数を増やす食事

●「運動」のよる対処法

体脂肪が燃焼するときはたくさんの酸素を必要としますので、たっぷり酸素をとりこむ有酸素運動が効果的です。例えば、ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、ゆっくり泳ぐなどが有酸素運動です。また、日常のエネルギー消費である「基礎代謝」を高めるには筋肉量を増やすことが必要です。とくに大げさに考えなくても、普段の生活を「ながら運動」に変えることで、運動量は高まります。
 日常動作を「ながら運動」に変えるには、
・意識的に普段より素早く動く
・力をこめてゆっくり動く
・大きく伸ばす
・などがコツです。まずは全ての活動に共通する「立つ」「歩く」ときの姿勢を正しましょう。例えば床に落ちたものを拾うときには、ひざを折り、しゃがみこんで拾い、ゆっくり立ち上がる。このような動きをクセにしましょう。
 他にも積極的に家事に取り組む、わざと遠回りしたり、階段を使うのもよい運動です。転倒などに注意しながら意識して体を動かしましょう。
日常の「ながら運動」

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