[ミニ特集] 脳を元気にする成分

物忘れや記憶力の低下など、脳の衰えを感じても、「年のせいだから」とあきらめていませんか?脳に必要な栄養素、脳を元気にするために積極的にとりたい栄養素について、ご説明します。

 

しっかりとりたい脳の活力をつくるエネルギー源

 私たちのからだに必要なエネルギー源は、たんぱく質、脂肪、糖質の三大栄養素です。
 このうち、脳は糖質のブドウ糖をエネルギー源にしています。脳はエネルギーの備蓄ができないので、たえずブドウ糖を補給する必要があります。脳が一日の活動に必要とするブドウ糖の量は約120グラムですが、肝臓などにグリコーゲンとして蓄えられるブドウ糖は約60グラムです。食事で供給しないと脳がエネルギー不足におちいってしまいます。活動を開始する朝食に、ブドウ糖の原料となる糖類をしっかりとりましょう。糖類を分解するために必要なビタミンBも合わせてとるよう心がけましょう。
 また、脳の情報伝達機能の要である神経細胞に栄養や酸素を送りこむ血管の材料として欠かせないのがたんぱく質です。体内では合成されない必須アミノ酸を中心にバランスよく摂取しましょう。脳はからだのほかの部分に比べてエネルギー消費が大きく、たくさんの血液を必要とします。その量は、1分間に約 700mlです。この血液が滞らないようスムーズに循環することが必要です。
 血液の流れをスムーズにする働きをすることで知られている栄養素にDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)があります。1970年代、デンマークの医師によるイヌイット人を対象にした調査で、魚やアザラシをよく食べるイヌイットの人たちが、デンマーク人と比較して血栓症にかかるケースが少ないのは、魚やアザラシに含まれる高度の不飽和脂肪酸が影響していることが明らかになり注目されました。
 DHA、EPAは多価不飽和脂肪酸のうちn-3系に分類される不飽和脂肪酸です。これらの不飽和脂肪酸はイワシ、サンマ、サバ、マグロなどおなじみの背の青い魚に多く含まれています。不飽和脂肪酸は酸化しやすいため、体内に蓄積しにくく、また体内で産生することはできないので、食物から摂取する必要があります。できれば生食、また煮物なら小松菜、トマトなど抗酸化ビタミンやリコペンをふくんだ野菜と合わせて、缶詰も水煮を用いて汁ごと食べるなど酸化を抑える工夫をしてとるようにしたいものです。
 DPA(ドコサペンタエン酸)も多価不飽和脂肪酸に一種で、EPAの10分の1の量でEPAと同じような効果が認められるとの報告もあります。魚にはあまり含まれておらず、アザラシ、クジラなど海洋哺乳類の脂質に多く含まれているものです。

 

イチョウ葉エキスだけでなく十分な睡眠と運動も

 約2億5000年も前に誕生し、生きた化石とも言われるイチョウ。その強じんな生命力からもたらされる様々な作用がいま、大きな注目を集めています。
 イチョウの葉には30種以上のフラボノイド類と数種のテルペン類が含まれています。不要な成分も混ざるので葉を煎じて飲むことはせず、色づく前の葉を乾燥させ、有効な成分を抽出したものがイチョウ葉エキスです。
 イチョウ葉のエキスの主な成分は、フラボノイドとギンコライドです。とくに、30種類以上も含まれているフラボノイドは、強力な活性酸素(フリーラジカル)消去作用と、血管拡張作用を発揮すると言われています。
 ギンコライドはイチョウの葉だけに含まれる物質で、活性酸素の発生を抑制するほか、血小板の凝縮を抑制する働きもあり、脳や末梢の血流障害を防ぐ働きもあります。 
 さらに、イチョウ葉特有成分のビロバライドが記憶力の回復効果を高めたり、うつ病の治療にも役立つとされています。
 ドイツやフランスでは、イチョウ葉エキスが脳の血液循環を改善するための医薬品として使われています。
 サプリメントを利用する場合、血液抗凝固剤を使用されている方はフラボノイドの効果が強くなりすぎることもありますので、医師に相談しましょう。
 また、脳や神経組織、肝臓に多く含まれるリン脂質の一種にレシチンがあります。
 脳を元気にするには、こうした成分を積極的にとり入れるだけでなく肉、魚貝、卵、牛乳、いも類、大豆製品、緑黄色野菜などまんべんなく食べることが基本なのです。
 そして、脳がよい状態を保ち活動するには、こうした栄養の供給とともに睡眠・休息とウォーキングなどの有酸素運動が必要です。また手先を使うことなど、脳に刺激を与えることも大切です。
「脳の活力を高めましょう」「脳に必要な食品」